頸板状筋の起始・停止・支配神経・作用

頸板状筋の起始・停止・支配神経・作用

頸板状筋は頸部後方の表層にある筋で、僧帽筋(Trapezius muscle)と胸鎖乳突筋(Sternocleidomastoid muscle)より深部を走行しています。

板状筋(Splenius muscle)は、細長い一対の筋で、ギリシャ語のsplenion(包帯)に似ていることから名付けられました。
この筋は、首の後部にある深部伸筋である頭最長筋(Longissimus capitis muscle)と頭半棘筋(Semispinalis capitis muscle)を押さえる包帯のようなものです。
板状筋には頭板状筋と頸板状筋があります。

<頸板状筋の基礎データ>

名称 頸板状筋(けいばんじょうきん)
英語表記 Splenius cervicis muscle
略称 -
起始 T3-T6の棘突起
停止 C1-C3の横突起
支配神経 下部頸神経後枝外側枝
神経根/分節 -
作用 両側性収縮:頭部と頸部の伸展
片側性収縮:頭部の側屈、同側
血液供給 後頭動脈、椎骨動脈、Superior intercostal artery、深頸動脈、頸横動脈

<後方から見た頸板状筋>
<外方から見た頸板状筋>

頸板状筋の起始

起始 T3-T6の棘突起
頭板状筋は「T3-T6の棘突起(Spinous processes)」から起始し、外上方へ向かって走行します。
<後方から見た頸板状筋の起始停止>

頸板状筋の停止

停止 C1-C3の横突起
起始から外上方へ向かって伸びた頸板状筋は「C1-C3の横突起(Transverse processes)」に停止します。
<後方から見た頸板状筋の起始停止>

頸板状筋の支配神経

支配神経 下部頸神経後枝外側枝

頸板状筋は「頸神経後枝外側枝(Lateral branches of posterior rami of spinal nerves)」によって支配されています。

頸板状筋の作用

作用 両側性収縮:頭部と頸部の伸展
片側性収縮:頭部の側屈、同側

頸板状筋は両側性に収縮することで「頭部と頸部を伸展」します。
片側性に収縮すると「頭部の同側側屈と同側回旋」します。

頸板状筋の栄養血管

栄養血管 後頭動脈、椎骨動脈、Superior intercostal artery、深頸動脈、頸横動脈

頸板状筋は「後頭動脈(occipital artery)、椎骨動脈(Vertebral artery)、Superior intercostal artery、深頸動脈(Deep cervical artery)、頸横動脈(Transverse cervical artery)」によって栄養されています。

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参考文献
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[2]Neumann, D. A. (2017). Kinesiology of the musculoskeletal system: Foundations for Rehabilitation. Mosby.
[3]Drake, R., PhD, Vogl, A. W., PhD, & Mitchell, A. W. M. (2022). Gray’s basic anatomy.
[4]Standring, S. (2020). Gray’s anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Gray’s Anatomy.
[5]Schünke, M., Schulte, E., & Schumacher, U. (2016). Atlas of Anatomy. Thieme Medical Publishers.

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