基礎 動作に適応する椎間板 動作に適応する椎間板 人が歩く,走る,蹴る,投げる,持ち上げるといった動きを行うたびに,脊柱を構成する椎体は前後左右に滑り,揺れ,捻れる.このような多様な運動に対し,椎体と椎体の間に位置する椎間板は動的にその変形を許容しつつ,安定性を保ち続ける.椎間板は中心の髄核とそれを取り囲む線維輪からなり,この構造が様々な応力に対... 2025年5月18日
基礎 力をためて,遅らせる──椎間板のダイナミズム 椎間板の機能ー力の蓄積, 遅延伝達 椎間板は脊椎の各椎体の間に存在し,主に衝撃吸収と運動の可動性の確保という二つの重要な機能を担っている. 一般に椎間板が受ける力は重力や筋の収縮,外部からの衝撃など多岐にわたる.これらの力は瞬間的に加わる場合もあれば,長時間にわたり持続的にかかることもある.こうした力の多様性に対応する... 2025年5月17日
基礎 Pelvic Tilt (仰臥位):腰のエクササイズ Pelvic Tilt (仰臥位) 腰椎骨盤股関節複合体の安定性と可動性は,姿勢制御や動作パフォーマンスにおいて中枢的な役割を担っていると考えられている. このエクササイズは,わずかな骨盤の前後傾を繰り返すことで腰椎の運動を誘導しながら,深層の体幹筋群の協調的な活性化を促す極めてシンプルかつ機能的なトレーニングである.... 2025年5月17日
基礎 椎間板が持つ2つの荷重伝達機能 脊柱の動く柱:椎間板 運動性と同時に強大な荷重を分散・支持する機能が求められるといった矛盾する機能要求に応えるため,椎間板は単純な関節構造ではなく圧力の均等分散と安定性を実現する特殊な構造を獲得した. 椎間板は外層の繊維輪と内層の髄核から構成されており,両者が相補的に働くことで高度な荷重伝達システムを形成している.ここ... 2025年5月14日
基礎 なぜ椎体間は球関節ではないのか? 椎体間はなぜ球ではなく平面なのか? 脊柱は単なる支持構造ではない. 精密に調整された関節として機能している.その中心をなすのが椎体間の構造であり,この構造があるからこそ直立し,屈み,捻るといった複雑な動作を行うことができる.しかし,この構造を詳細に観察するとある疑問が浮かぶ.なぜ椎体間は球関節のような構造ではないのか.... 2025年5月13日
ブログ 健康の定義と痛み治療 従来の健康の定義と問題点 WHOは「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。(Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the ab... 2025年4月28日
ブログ 腰痛治療における「80%神話」 Googleで腰痛の原因について調べると主張の共通点に気が付く. ・では腰痛の原因は何か。腰痛の原因の8割は「トリガーポイント」といわれる筋肉が出す痛みといわれます。 ・クリニックで受ける相談で見ると、腰痛や肩こりの相談のうち8割はトリガーポイントが原因です。 ・原因不明の腰痛の8割は“筋膜の異常“ということがアメリカ... 2025年4月11日
ブログ 医療では避けて通れないノセボ効果 プラセボ効果は偽の治療が肯定的な反応や回復を引き起こすのに対し,ノセボ効果は害のない治療であっても否定的または有害な反応を生じさせる. 名称 ノセボ効果(Nocebo Effect) 特徴 害のない治療に対する否定的な期待や思い込みによって,有害な反応が生じる現象 プラセボ効果との違い プラセボ効果は偽の治療で肯定的な... 2025年4月3日
ブログ 静的可動域≠動的可動域,小さな可動域≠姿勢の変化 可動域に基づく臨床推論 臨床では,静的な可動域検査によって動的な影響を推測することがある. ・静的な肩関節外旋可動域が制限されていれば,投球動作時の肩関節外旋可動域が制限される. ・静的な足関節背屈可動域が制限されていれば,歩行時の足関節背屈可動域が制限される. ・静的な股関節伸展可動域が制限されていれば,ランニング時... 2025年4月2日