ベリーオフサイン(Belly-Off Sign)は肩甲下筋断裂の検査法の1つです[1]。
肩甲下筋病変の検査法には以下のものがあります。
・Internal rotation lag sign
・リフトオフテスト
・ベリーオフサイン
・ベリープレステスト
・ベアハグテスト
ベリーオフサインの検査目的
リフトオフテストは腱板断裂の中の特に肩甲下筋断裂に特化した検査法です。
痛みや可動域制限のためにリフトオフテストができない場合は、ベリープレステストが追加で用いられます。
ベリーオフサインは肩関節の伸展を伴わないため、リフトオフテストの代わりに利用できる検査法です。
ベリーオフサインの検査手順
ベリーオフサイン座位または立位で行います。
- 検者は患者の前に立ち、患者の肘を90°屈曲させた状態で受動的に屈曲と最大内旋位に動かします。
- 検者は患者の肘を支えながら、もう一方の手で腕を最大内旋させ、患者の手を腹部に当てます。
- 検者が手首を放す間、患者に手関節をニュートラルに保ち、積極的に内旋を維持するよう求めます。
<ベリーオフサインの開始位置>
<ベリーオフサインの終了位置>
ベリーオフサインの陽性所見
手関節が屈曲している、またはラグ(手が腹部から離れる)が生じている場合陽性となります。
ベリーオフサインの検査精度
Bartschらの報告では肩甲下筋病変に対するリフトオフテストの感度は0.86、特異度は0.91、陽性尤度比は9.6、陰性尤度比は0.15でした[2]。
この調査の被験者は関節鏡手術を受ける予定のインピンジメント症候群を有する55人の患者で、参照基準は関節鏡で診断された肩甲下筋断裂でした。
この調査の被験者は関節鏡手術を受ける予定のインピンジメント症候群を有する55人の患者で、参照基準は関節鏡で診断された肩甲下筋断裂でした。
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参考文献
[1]Scheibel, M., Magosch, P., Pritsch, M., Lichtenberg, S., & Habermeyer, P. (2005). The belly-off sign: a new clinical diagnostic sign for subscapularis lesions. Arthroscopy : the journal of arthroscopic & related surgery : official publication of the Arthroscopy Association of North America and the International Arthroscopy Association, 21(10), 1229–1235. https://doi.org/10.1016/j.arthro.2005.06.021
[2]Bartsch, M., Greiner, S., Haas, N. P., & Scheibel, M. (2010). Diagnostic values of clinical tests for subscapularis lesions. Knee surgery, sports traumatology, arthroscopy : official journal of the ESSKA, 18(12), 1712–1717. https://doi.org/10.1007/s00167-010-1109-1
[2]Bartsch, M., Greiner, S., Haas, N. P., & Scheibel, M. (2010). Diagnostic values of clinical tests for subscapularis lesions. Knee surgery, sports traumatology, arthroscopy : official journal of the ESSKA, 18(12), 1712–1717. https://doi.org/10.1007/s00167-010-1109-1