Internal rotation lag sign【肩甲下筋断裂の検査法】

Internal rotation lag sign(IRLS)は肩甲下筋断裂の検査法の1つです。

肩甲下筋病変の検査法には以下のものがあります。
Internal rotation lag sign
リフトオフテスト
ベリーオフサイン
ベリープレステスト
ベアハグテスト

Internal rotation lag signの検査目的

Internal rotation lag signは腱板断裂の中の特に肩甲下筋断裂に特化した検査法です。

Internal rotation lag signの検査手順

Internal rotation lag signは座位で行います。

  1. 検者が患者の手を腰部の後方で完全内旋させ、手の甲を受動的に身体から離します。
  2. 検者は腕を放し、患者は能動的にその姿勢を維持します。患者が体位を保持できない場合は陽性とする。
<Internal rotation lag signの開始位置>
<Internal rotation lag signの終了位置>

Internal rotation lag signの陽性所見

この肢位を維持できない場合は陽性となります。

Internal rotation lag signの検査精度

Bartschらの報告では肩甲下筋病変に対するリフトオフテストの感度は0.71、特異度は0.60、陽性尤度比は1.8、陰性尤度比は0.48でした[1]。
この調査の被験者は関節鏡手術を受ける予定のインピンジメント症候群を有する55人の患者で、参照基準は内視鏡で診断された肩甲下筋断裂でした。

このテストは、腕を目的の位置に置くことが物理的に可能でなければならず、痛みによってテスト開始肢位に持っていけないこともあります。
内視鏡下外科手術を予定された患者50人では痛みや痛みによる可動域制限のため、6例ではリフトオフテストとIRLSを実施できなかった報告があります[2]。
無理に検査を行おうとすることで疼痛や断裂の悪化のリスクがあるため注意が必要です。

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参考文献
[1]Bartsch, M., Greiner, S., Haas, N. P., & Scheibel, M. (2010). Diagnostic values of clinical tests for subscapularis lesions. Knee surgery, sports traumatology, arthroscopy : official journal of the ESSKA, 18(12), 1712–1717. https://doi.org/10.1007/s00167-010-1109-1
[2]Bartsch, M., Greiner, S., Haas, N. P., & Scheibel, M. (2010). Diagnostic values of clinical tests for subscapularis lesions. Knee surgery, sports traumatology, arthroscopy : official journal of the ESSKA, 18(12), 1712–1717. https://doi.org/10.1007/s00167-010-1109-1

 

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