タム
基本的な構成は、前方に1つの椎体(隣接する椎間板)、椎間孔を含む横突起、2つの椎間関節、1つの棘突起です。

椎体

タム
椎骨の前方にある円柱形に類似した構造体を椎体(Vertebral Body)と呼びます。
上面は凹状で下面は凸状をしています。
[第3頸椎椎体]

タム
椎体は脊柱にかかる圧縮荷重の大部分を支えます。

各椎骨の椎体の高さは、以下のように報告されています[Yukawa Y et al.,2012]

C3 C4 C5 C6 C7
すべて 13.4±1.7 13.0±1.6 12.8±1.5 12.6±1.5 14.0±1.6
男性 14.4±1.5 13.9±1.5 13.7±1.4 13.4±1.4 14.9±1.5
女性 12.4±1.2 12.1±1.2 12.0±1.1 11.9±1.2 13.1±1.3

各レベルの中央のディスクの高さは以下のように報告されています。

C2 / 3 C3 / 4 C4 / 5 C5 / 6 C6 / 7 C7 / T1
すべて 6.1±1.0 6.2±1.0 5.9±1.0 5.8±1.3 6.4±1.4 5.9±1.0
男性 6.4±0.9 6.5±1.0 6.2±1.1 6.1±1.3 6.6±1.5 6.1±1.1
女性 5.8±0.9 5.9±1.0 5.6±0.9 5.4±1.1 6.3±1.2 5.7±1.0

またC2-7の屈曲、伸展、total ROMは以下のように報告されています。

屈曲ROM 拡張ROM トータルROM
すべて 27.0±9.7 28.3±14.1 55.3±16.0
男性 27.6±9.8 24.3±13.2 51.9±15.2
女性 26.4±9.6 32.4±13.7 58.8±16.1

ルシュカ関節

 

タム
頸椎では特に、椎体後外側上縁の鉤状突起とその上位椎体の後外側下縁はルシュカ関節(joint of Luschka)またはUncovertebral jointと呼ばれています。

椎弓根

タム
椎体と後弓をつないでいる部分を椎弓根(Pedicle)と言います。

横突起と横突孔

タム
椎体後面から外側に突き出しているのが横突起(Transverse Process)です。
横突起には前結節(anterior tubercle)と後結節(posterior tubercle)があり、
前結節間の筋はIntertransversarii anterioresと呼ばれ、
後結節間の筋Intertransversarii posterioresと呼ばれます。
横突起の上面、横突孔の後方には神経根が通過する溝があります。

頚動脈結節

第6頸椎の前結節は特に大きく、頚動脈結節(carotid tubercle )と呼ばれます。

隆椎

第7頸椎は隆椎とも呼ばれます。
環椎から第6頸椎までの横突孔には椎骨動脈が通過しますが隆椎は通過しません。

椎間関節

タム
隣接する上下の関節突起によって椎間関節(Facet Joint)が作られます。
矢状面では、頸椎の椎間関節は約45°傾いています[Fletcher G et al.,1990]。腰椎はほぼ垂直であることから、腰椎よりも可動しやすい関節です。

脊柱管(Spinal Canal)

平均身長と体重が162.2±9.3 cm、59.8±11.3kgの場合、ニュートラルポジションでの日本人の脊柱管の前後の直径は以下のようになっています[Yukawa Y et al.,2012]。


【各椎間板レベル】

C2 / 3 C3 / 4 C4 / 5 C5 / 6 C6 / 7 C7 / T1
すべて 17.7±1.9 15.9±1.8 15.5±1.8 15.5±2.0 15.9±1.9 16.2±1.6
男性 18.2±2.0 16.3±1.9 15.9±1.9 15.9±2.1 16.3±2.0 16.6±1.7
女性 17.2±1.7 15.6±1.7 15.2±1.7 15.1±1.8 15.6±1.7 15.9±1.4

※単位はmm
【各椎骨中央レベル】

C2 C3 C4 C5 C6 C7
すべて 18.7±1.9 16.0±1.6 15.5±1.5 15.8±1.5 16.2±1.5 16.2±1.4
男性 19.2±1.9 16.4±1.6 15.8±1.5 16.2±1.5 16.7±1.5 16.7±1.4
女性 18.2±1.7 15.7±1.5 15.2±1.5 15.4±1.4 15.8±1.4 15.8±1.3

 

参考文献

・Yukawa Y, Kato F, Suda K, Yamagata M, Ueta T. Age-related changes in osseous anatomy, alignment, and range of motion of the cervical spine. Part I: Radiographic data from over 1,200 asymptomatic subjects. Eur Spine J. 2012 Aug;21(8):1492-8. doi: 10.1007/s00586-012-2167-5. Epub 2012 Feb 4. PMID: 22310883; PMCID: PMC3535253.
・Fletcher G, Haughton VM, Ho KC, Yu SW. Age-related changes in the cervical facet joints: studies with cryomicrotomy, MR, and CT. AJR Am J Roentgenol. 1990 Apr;154(4):817-20. doi: 10.2214/ajr.154.4.2107682. PMID: 2107682.

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