タム
今回は第一頸椎(アトラス:Atlas)の基礎解剖を復習しましょうか

白タム(学生)
よろしくお願いします。

[青:上部頸椎、赤:下部頸椎]

タム
第一頸椎はリング状(環状)構造をしており、環椎とも呼ばれます。

第一頸椎は頸椎に属していますが、頸椎よりも後頭部に共通点が多いことから頸椎には属していないと主張されることもあります[Mercer SR et al.,2001]。

第一頸椎(環椎)の役割

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アトラスの機能は、後頭部を支えるえ、後頭部から下部頸椎に力を伝えることです。
後頭骨と第2頸椎に挟まれている中間的な「支点」のような骨です。


[頸椎前方から]


[頸椎側方から]

[頸椎後方から]

第一頸椎(環椎)の部位名

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第一頸椎の特徴は椎体を持たないことですが、その代わりに前結節があり、これは頸長筋(Longus colli muscle)の付着部です。

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リングの後面には後結節があり、小後頭直筋(rectus capitis posterior minor muscle)と後頭環椎間膜(Posterior atlantoöccipital membrane)の付着部です。

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広くて薄い後頭後頭膜は、上では大後頭孔の後縁に付着し、下では環椎後弓の上縁に付着しています。
この膜は椎骨動脈溝(groove for the vertebral artery)を覆うように欠損しており、椎骨動脈溝とともに動脈の入口と後頭下神経(suboccipital nerve)の出口となる開口部を形成しています。
後方では小後頭直筋(Rectus capitis posterior minor muscle)と上頭斜筋(Obliquus capitis superior muscle)と関係しており、前方では硬膜と密接に結合しています。

タム
外側塊は前弓と後弓によって連結されており、左右の外側塊は後頭骨からの力を伝達します。

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外側塊の上下には関節突起(articular process)があります。
上部の関節突起は凹んでおり、上関節窩と呼ばれます。
この関節突起は内方を向いているため、後頭骨を収めるように一致した関節を作ることができます。

[環椎後頭関節]

タム
下方の関節突起は外方に傾斜しており、軸椎の上関節突起(superior articular processes)と関節しています。

[環軸関節]

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この上下の関節構造が主に屈曲、伸展、側屈の際に働きます[Panjabi M et al.,1991]。
外側塊のすぐ後方には椎骨動脈が通過する溝である椎骨動脈溝(groove for the vertebral artery)があります。
前弓内側、前結節の後面には、わずかなくぼみがあり、歯突起窩と呼ばれ軸椎の歯突起と関節します。

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外側塊の前内方には歯突起後面を通過する環椎横靭帯(transverse ligament)が付着します。
環椎横靭帯は歯突起にも付着します。

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外側塊から外側には横突起が伸びます。
横突起には横突孔があり椎骨動脈が通過します。

第一頸椎に付着する筋

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環椎に付着する筋は多くあります。

・小後頭直筋
・上頭斜筋
・下頭斜筋
・前頭直筋
・外側頭直筋
・頸板状筋
・肩甲挙筋
・横突間筋
・回旋筋
・頸長筋

参考文献

・Panjabi M, Dvorak J, Crisco J 3rd, Oda T, Hilibrand A, Grob D. Flexion, extension, and lateral bending of the upper cervical spine in response to alar ligament transections. J Spinal Disord. 1991 Jun;4(2):157-67. doi: 10.1097/00002517-199106000-00005. PMID: 1806080.
・Mercer SR, Bogduk N. Joints of the cervical vertebral column. J Orthop Sports Phys Ther. 2001 Apr;31(4):174-82; discussion 183. doi: 10.2519/jospt.2001.31.4.174. PMID: 11324871.

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