Craniovertebral junction (CVJ)は、頭蓋骨と上部頸椎、脳と脊髄の間の移行部を意味しています。
構成要素は後頭部、環椎、軸椎です[Smoker WR.1994]。
この3つの骨で構成を後頭環軸椎複合体(Occipitoatlantoaxial complex)と言います。

CVJの異常は骨構造だけでなく、包含される神経系にも影響を及ぼします。
特に子供の場合、上部頸椎の中で最も可動性の高い部位です。
環椎と軸椎によるユニークな形状の領域で複雑な動きをしますが、靭帯の付着により、靭帯によって安定し、大後頭孔と脊柱管を通過する神経組織の損傷を防いでいます。

CVJの解剖学

CVJの上方部は後頭骨の大後頭孔(Foramen magnum)です。

大後頭孔は、 後頭骨鱗部(squamosal portion)、後頭骨底部(clival portion/basal portion)、後頭顆(condylar part)の3つにより構成されています。

後頭骨鱗部は後頭孔の背側に位置し、後頭骨底部は後頭孔の前方に位置し、後頭顆は鱗部と底部をつないでおり大後頭孔の外側に位置します。
また大後頭孔の最後端はopisthionと呼ばれ、大後頭孔の最前端はbasionと呼ばれています。
大後頭孔の前後径は35±4mmで横径はわずかに小さいです[Menezes AH et al.,2008]。

後頭顆は第一頸椎(アトラス)と関節します。
アトラスは環状をした骨で環椎とも呼ばれ、第1頚椎であるアトラスは、他の頚椎とは異なり椎体と棘突起を持たないのが特徴です。

本来、他の椎骨のように椎体がある部分には第二頸椎(アキシス/軸椎)の歯突起(odontoid process)があります。
歯突起腹側には楕円形の関節面があります。

後弓の基部の上面(外側塊に移行するところ)には、椎骨動脈のための椎骨動脈溝があり、第1頚神経と椎骨動脈は並行に走行しています。
第2頸神経は、環軸関節の関節包のすぐ背側で脊柱管(vertebral canal)から出ているため関節窩病変があると、後頭部や頸部痛につながると考えられています。

参考文献

・Smoker WR. Craniovertebral junction: normal anatomy, craniometry, and congenital anomalies. Radiographics. 1994 Mar;14(2):255-77. doi: 10.1148/radiographics.14.2.8190952. PMID: 8190952.
・Menezes AH, Traynelis VC. Anatomy and biomechanics of normal craniovertebral junction (a) and biomechanics of stabilization (b). Childs Nerv Syst. 2008 Oct;24(10):1091-100. doi: 10.1007/s00381-008-0606-8. Epub 2008 Apr 4. PMID: 18389261.

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