肩甲上神経の解剖学

タム
今回は肩甲上神経の解剖学を復習しましょうか

白タム(学生)
はい!

タム
肩甲上神経の英語表記は"Suprascapular nerve"です。
"Supra"は「上の」
"scapular"は「肩甲骨」
"nerve"は「神経」
なので略称は"SSN"と表記されることが多いです。
また日本語表記もそのまま「肩甲上神経」です。

肩甲上神経の始まり

タム
肩甲上神経はC5,C6神経根から始まります。

タム
その通りです。腕神経叢はどの神経根から始まるか覚えていますか?

白タム(学生)
確か…
C5~Th1だった気がします。

タム
正解です!
腕神経叢はいろんなバリエーションを持った構造体なので一概には言えませんが、教科書的に覚えるのであれば、C5~Th1が正解です。

肩甲上神経の走行

タム
腕神経叢は最初に斜角筋隙を通過します。
斜角筋隙は前斜角筋と中斜角筋、底辺を鎖骨が構成します。
特徴的なのは、腕神経叢と鎖骨下動脈が通過しますが、鎖骨下静脈は前斜角筋の前方を通過するため鎖骨下静脈は斜角筋隙を通過しません。

白タム(学生)
ふむふむ。

タム
そして腕神経叢は3つの神経幹(Trunk)になります。
この3つの名称は覚えていますか?

白タム(学生)
えーっと。上神経幹・中神経幹・下神経幹です。

タム
そうですね。
・C5,C6の前枝が上神経幹(Superior trunk)
・C7の前枝が中神経幹(Middle trunk)
・C8,Th1の前枝が下神経幹(Inferior trunk)
を形成します。

タム
肩甲上神経が出るのはこの中の上神経幹からです。
腕神経叢は胸郭の前方を降りて行きますが、肩甲上神経は後方に行きます。
そして、肩甲骨の肩甲切痕(SSN:suprascapular notch)と上肩甲横靭帯(STSL:superior transverse scapular ligament)で構成されるSuprascapular foramenを通過します。

白タム(学生)
なんていうかすごいところを通過してますね。

タム
初見だと中中驚きますよね。
ここは肩甲上神経絞扼の典型的な部位です。
上肩甲横靭帯が完全に骨化している場合は肩甲切痕ではなく孔になります[Kumar A et al.,2014][Polguj M et al.,2014]。

白タム(学生)
見るからになにか起こりそうな構造に見えますもんね

タム
そしてこのSuprascapular foramenを通過した神経は棘上窩に入り棘上筋と支配する神経と、肩甲棘外側のSpinoglenoid notchを周って棘下窩へ向い、棘下筋を支配する神経を分枝します。
棘上筋の基礎データ

起始: 肩甲骨棘上窩

停止:上腕骨大結節
神経:肩甲上神経(C5,C6)
作用:肩関節の外転

棘下筋の基礎データ
起始:肩甲骨棘下窩
停止: 上腕骨大結節

作用:肩の外旋
神経:肩甲上神経(C5,C6)

タム
それから、肩関節後面や肩鎖関節へも関節枝を出します。一部の人では皮枝を出すことがあります。

肩甲上神経の走行の動画

タム
肩甲上神経の走行を動画で見たい方はこちら

参考文献

・Kumar A, Sharma A, Singh P. Anatomical study of the suprascapular notch: quantitative analysis and clinical considerations for suprascapular nerve entrapment. Singapore Med J. 2014;55(1):41-44. doi:10.11622/smedj.2014009
・Polguj M, Sibiński M, Grzegorzewski A, Waszczykowski M, Majos A, Topol M. Morphological and radiological study of ossified superior transverse scapular ligament as potential risk factor of suprascapular nerve entrapment. Biomed Res Int. 2014;2014:613601. doi: 10.1155/2014/613601. Epub 2014 Apr 3. PMID: 24804224; PMCID: PMC3996327.

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