はじめに
腰痛を急性と慢性に分ける場合、3ヶ月未満と3ヶ月以上と分けたり、本邦においては2019年の腰痛診療ガイドラインでは急性を4週間未満、亜急性を4週間以上3ヵ月未満、慢性を3ヶ月以上としています。
腰痛を急性と慢性に分ける場合、3ヶ月未満と3ヶ月以上と分けたり、本邦においては2019年の腰痛診療ガイドラインでは急性を4週間未満、亜急性を4週間以上3ヵ月未満、慢性を3ヶ月以上としています。
このように腰痛は急性・(亜急性)・慢性に分類するケースが多いですが、もし1つの腰痛エピソードに基づいて分類する場合、腰痛の解釈としては不十分です。
なぜならこのような解釈ではある程度の期間をおいて腰痛が2度生じた場合、4週間未満であれば2度の急性腰痛とされてしまいますが、実際には2度の腰痛間の期間の症状が弱いかないだけでこの2度の腰痛は同じ腰痛である(例えばフレアアップ)可能性もあるからです。
※そのため慢性腰痛の定義に再発性が含まれていることもあります。
再発性という分類はこの問題を解決することができ、一過性(transient)、再発性(recurrent)、慢性(chronic)と分けることもできます[1][2]。
単に一度の腰痛エピソードに基づいて急性・慢性を分類すると、本来慢性腰痛や再発性腰痛に適した介入が必要な場合にも急性腰痛患者向けの介入をしてしまうリスクもあります。
そんな再発性腰痛は一般的でみられ、腰痛からの回復を一度も再発しないという意味で解釈するなら真の寛解は稀です[4]。
そこで今回は再発性の定義や予測因子を紹介し、再発性腰痛の理解を深めやすくするための記事を書きます。
臨床的には腰痛の再発因子と最初の腰痛(first-time LBP)の因子が異なるため区別することでより個人にあった介入を見つける役に立ちます。
腰痛は特に再発予防が重要とされる疾患または症状です。
腰痛の再発予防に興味がある方にとっても知っておいてもらいたい内容となっています。