梨状筋を最大限伸張する肢位

梨状筋の基礎解剖

梨状筋は深臀部にある三角形の筋です。
起始はばらつきがありますが、主に仙骨前面(S2とS4の間)と下後腸骨棘付近に付着しています。
停止部は大腿骨の大転子です。
支配神経は仙骨神経叢のS1-S2です。
主な作用には股関節外旋、外転と大腿骨頭の安定化作用があります。

梨状筋のストレッチ

梨状筋のストレッチはよく利用される一方でどの肢位が梨状筋をストレッチするのかは明らかではありませんでした。
典型的な梨状筋のストレッチ肢位は、屈曲90度・最大外旋・最大水平内転の組み合わせです。

梨状筋は股関節の外旋筋ですが、屈曲位では内旋筋になることからストレッチでは外旋肢位が用いられます。

そこでGulledgeらはCTスキャンから3次元の骨モデルを作成し、ストレッチ中のりじょうきんの伸張を測定しました。
結果として屈曲90度・最大外旋・最大水平内転の組み合わせで梨状筋は11.2から12.5%伸張しました。
次に彼らは最適な股関節肢位を求めました。その結果、股関節屈曲117度、外旋40度、内転27度の組み合わせで梨状筋の伸張は最大化され平均で15.6%(20.4mm)伸張されました。

梨状筋を最も伸張させたい場合には股関節屈曲120度、外旋40度、内転30度を目標にするのが最適なようです。またこの肢位は座位で足を組む形に類似しているため、足を組んで座ること自体がストレッチになっていると考えられます。

 

 

参考文献

[1]Gulledge, B. M., Marcellin-Little, D. J., Levine, D., Tillman, L., Harrysson, O. L., Osborne, J. A., & Baxter, B. (2014). Comparison of two stretching methods and optimization of stretching protocol for the piriformis muscle. Medical engineering & physics, 36(2), 212–218. https://doi.org/10.1016/j.medengphy.2013.10.016

Twitterでフォローしよう