腰痛のRed flags

「Red flags」という用語は、現在では様々な部位に用いられますが、もともと1980年代初頭に腰痛関連で登場した用語です[Ramanayake RPJC et al.,2018]。

Red flagsの存在は、重篤な疾患を示唆し、さらなる調査や紹介の必要性を示しています。決してRed flagsは診断のためのツールではありません。

Red flagsは例えば、悪性腫瘍を早期に発見することで、転移のさらなる拡大を防ぐことができ、脊椎骨折の特定はぐことができる過小評価できないものです。

【腰痛の診断のための一般的な推奨事項】
▶︎診断トリアージ
▶︎Red flagsを用いて重篤な病状をスクリーニングする。
▶︎神経学的スクリーニングのための身体診察。
▶︎改善がみられない場合は心理社会的因子(yellow flags)を考慮する。
▶︎非特異的腰痛にはルーティーンとしての画像検査は適応とならない。
[Koes BW et al.,2010]

しかし臨床評価の最初のステップであるはずのRed flagsに関する臨床家の知識と実践はかなり限定的で難しいと感じている人が多くいるようにも見えます。

なぜ、学校でもRed flagsには注意するように習い、先輩や上司、医学書やセミナーでもRed flagsを確認するように言われるにも関わらず実践は難しいのでしょうか?

一度思い出して見てください。
過去Red flagsに気をつけて評価するように言ってきた、人たち、書籍はどこまで具体的な方法を教えてくれましたか?

いくつかの症状を羅列して、「これらの症状/身体所見が見られたら気をつけてください」と指導されただけではないでしょうか?

そうではないにしてもフワッとした指導であったのだろうと思います。
(あるいはされてない人も多いかも知れません)

では、なぜそうなってしまうのか?

運動療法や徒手療法、スペシャルテストや様々な理論を教えてくれる先輩や上司はなぜRed flagsについてはあまり教えてくれないのか?
腰痛のセミナーに参加しても、Red flagsについてはスライド0~2枚程度しか説明されないことが多いのはなぜなのか?

理由は単純かも知れません。

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