Empty can testを深掘りするpart.1[1-18]

エンプティカンテスト(Empty can test)

Empty can test(エンプティカンテスト)はJobe's testとも呼ばれる棘上筋(Supraspinatus muscle)病変に対するFull can test(フルカンテスト)と並ぶ一般的な検査法です。

検査の手順

①患者は肩甲平面上で90度まで挙上し、拇指が床を向くように上肢を内旋します。
②検者は手首に下向きの力を加え患者はそれに抵抗します。

陽性所見

痛みが出るか抵抗できなければ陽性となります。
痛みを陽性所見とする場合は棘上筋腱部の閾値の低下(棘上筋腱炎など)、抵抗できないのを陽性所見とする場合は棘上筋腱断裂を示唆します。痛みに伴って抵抗できない場合は真に断裂による筋力低下が生じていない可能性があり注意が必要です。また棘上筋腱断裂であっても筋力低下が見られないことがあります。

妥当性

痛みのみを陽性所見とした場合、棘上筋腱断裂に対する感度は0.63、特異度は0.55と報告されている[1]ため、陽性尤度比は1.40、陰性尤度比は0.67となります。
筋力低下を陽性所見とした場合は感度は0.77、特異度は0.68と報告されているため、陽性尤度比は2.41、陰性尤度比は0.34となります。
痛みと筋力低下あるいは痛みまたは筋力低下を陽性所見とした場合、感度は0.89、特異度は0.50と報告されているため、陽性尤度比は1.78、陰性尤度比は0.22となります。

有病者が無病者よりも何倍陽性になりやすいかの指標です。感度÷(1-特異度)で計算します。

ここまでは基礎知識としてもっと詳しく見てみます。

下のコンテンツはサブスクを購読している方のみ読むことができます。
購読するとこちらの記事をすべて閲覧できるようになります。

この続きはcodocで購読

Twitterでフォローしよう