【初学者が知っておきたい】腰痛治療の問題点と痛みが取れない腰痛の基本的な介入の考え方

はじめに

ここでは特に初学者向けに腰痛治療における主要な問題と、痛みがなくならない患者さんへの基本的なアプローチの考え方を紹介します。
一般的な書籍や研修では痛みの治し方や検査について紹介していることが多いですが、腰痛治療の問題点や痛みが治らなかった時の介入について言及されていることは多くありません。

臨床で治療しても、痛みがなくならない経験をしたことは皆さんあると思います。そこでどうしたら良いかわからなくなるという方に本記事はおすすめです!

腰痛治療の異常さを如実に表す研究の紹介

ほとんどの腰痛患者さんが適切な治療を受けることができない最大の原因の一つは治療法の数の多さだと私は考えています。
選択肢があること自体は良いことですが、その選択肢が膨大になればなるほど患者さんがより適切な治療を探すことが難しくなります。

Haldemanらは腰痛解決法として宣伝される治療法のリストを理解することがますます困難になってきていることを問題視していました[1]。

慢性腰痛の管理に対する現在のアプローチは、医療資源を臨床的に意味のある改善をもたらす可能性が最も高い介入を支援することが事実上達成することができないようになっています。
循環器、感染症、急性外傷、神経などの分野で新しい治療法が検討されている場合、有効な治療法として承認される前に、十分な研究によってその有効性、安全性、費用対効果が裏付けられることが一般に期待されていますが、慢性腰痛の場合、治療法の選択肢は事実上無限であり、年々増加し、強力で声高な支持者がいるものの、科学的根拠は限られています。

そして健全な無作為化比較試験(治療の効果を示す証拠として強い根拠になり得る研究手法)を受けたことのない治療法が、疑うことを知らない患者に対して日常的に治療法として宣伝されている現状があります。
彼らは現在の慢性腰痛治療がスーパーでの買い物に似た商業・競争モデル(commercial and competitive model)に取って代わられたように見えると主張しています。
そして宣伝用資料の中で、特定の治療法を裏付ける科学的根拠が正確に示されていることは稀であり、潜在的な有害性についての議論はさらに稀であると苦言を呈しています。

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