タム
今回は盲検化(Blinding)の話をしましょうか。
白タム(学生)
よろしくお願いします。
タム
盲検化(Blinding)とは
タム
盲検化はRCT(ランダム化比較試験)において重要であるとされています。
例えば研究の質の評価尺度であるPEDro scaleでは盲検化の有無をチェックする項目があります。
・治療効果を示す結果の計測を行った評価者に盲検化はされたか。
・すべての対象者に盲検化はされたか。
・治療を施行したすべてのセラピストは盲検化はされたか。
▶︎詳しくはこちら
例えば研究の質の評価尺度であるPEDro scaleでは盲検化の有無をチェックする項目があります。
・治療効果を示す結果の計測を行った評価者に盲検化はされたか。
・すべての対象者に盲検化はされたか。
・治療を施行したすべてのセラピストは盲検化はされたか。
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白タム(学生)
臨床では盲検化されることはありませんけど、研究だと大切なことなんですね。
タム
そうなんです。
盲検化は3箇所で行われます。
参加者の盲検化(participant blinding)、セラピストの盲検化(therapist blinding)、評価者の盲検化(assessor blinding)に応じて一重盲検(単盲検)、二重盲検、三重盲検と呼ばれます。
盲検化は3箇所で行われます。
参加者の盲検化(participant blinding)、セラピストの盲検化(therapist blinding)、評価者の盲検化(assessor blinding)に応じて一重盲検(単盲検)、二重盲検、三重盲検と呼ばれます。
白タム(学生)
ふむふむ。盲検化が必要な理由って具体的になんですか?
タム
盲検化する理由は、施術者や被験者、評価者の介入に対する信念がアウトカムに影響する可能性が十分考えられるからです。
例えば、
自分が効果があると信じている介入をする施術者は効果がないと思っているものよりも積極的に介入するかもしれません。
例えば効果がないと思っている介入を受けている被験者は主観的評価を悪く伝えるかもしれません。
例えば、効果がないと信じている評価者は効果を低く捉えるかもしれません。
結果として盲検化されてない場合はバイアスのリスクが高くなります。
例えば、
自分が効果があると信じている介入をする施術者は効果がないと思っているものよりも積極的に介入するかもしれません。
例えば効果がないと思っている介入を受けている被験者は主観的評価を悪く伝えるかもしれません。
例えば、効果がないと信じている評価者は効果を低く捉えるかもしれません。
結果として盲検化されてない場合はバイアスのリスクが高くなります。
白タム(学生)
あー確かに言われてみれば、臨床はこういう個人の信念の違いが評価にかなり影響してそうです。
タム
しかし盲検化が難しいことがあるのが現実です。
盲検化が難しい介入方法では、例えばPEDro scaleを用いた場合に"質が低い"と評価されやすくなります。
結果として、介入の効果性が不明瞭になりやすくなってしまいます。
盲検化が難しい介入方法では、例えばPEDro scaleを用いた場合に"質が低い"と評価されやすくなります。
結果として、介入の効果性が不明瞭になりやすくなってしまいます。
白タム(学生)
というと?
タム
鍼治療は盲検化が難しいとされるので例として挙げてみます。
鍼で問題視されるのは偽(シャム)鍼の存在です。偽鍼としては刺さない鍼が使われることがあります。では刺さない鍼は鍼ではないのか?と言われれば難しいです。
なぜなら伝統的に刺さない鍼の種類が存在し、鍼の効果が生じ得ると考えられるからです。
つまり鍼と偽鍼を比べて差がなかったとしても鍼の効果がないと言えなくなってしまいます。
鍼で問題視されるのは偽(シャム)鍼の存在です。偽鍼としては刺さない鍼が使われることがあります。では刺さない鍼は鍼ではないのか?と言われれば難しいです。
なぜなら伝統的に刺さない鍼の種類が存在し、鍼の効果が生じ得ると考えられるからです。
つまり鍼と偽鍼を比べて差がなかったとしても鍼の効果がないと言えなくなってしまいます。
参考文献
・Kamper SJ. Blinding: Linking Evidence to Practice. J Orthop Sports Phys Ther. 2018 Oct;48(10):825-826. doi: 10.2519/jospt.2018.0705. PMID: 30270781.