肩関節脱臼の基礎

タム
今回は関節脱臼の中でも最も一般的な肩関節脱臼の基礎を復習しましょうか

白タム(学生)
よろしくお願いします。

タム
肩関節は高い可動性と同時に安定性を両立させなけらばならない関節で、上腕骨頭は関節窩よりもかなり大きいので脱臼しやすいイメージはつきやすいと思います。

白タム(学生)
確かに他の関節に比べたら不安定に見えますね。

タム
上腕骨の上には骨構造があるので、脱臼方向は前か下か後です。前方が最も一般的です。
また再発もしやすいです。

肩関節脱臼(Shoulder dislocation)の疫学

タム
肩関節脱臼は女性よりも男性に発生しやすく、ピークは20~29歳です。
46.8%は15歳~29歳で生じます[Zacchilli MA et al.,2010]。

肩関節脱臼の病因

タム
肩関節脱臼が起こりやすいと考えられるのは
・肩関節包がLooseである
ことの他に安定化のための構造が損傷している場合です。

白タム(学生)
関節上腕靭帯の損傷や腱板断裂、ヒル・サックス損傷、バンカート損傷などですね。

肩関節脱臼の症状

タム
上腕骨が脱臼すると本来上腕骨頭があるべき場所が凹んでいます(Empty glenoid fossa)。

タム
前方脱臼または前方下方脱臼では上腕骨頭は通常烏口突起の下で触知できます。
また上腕は通常、外旋とわずかな外転位で保持されます。

タム
後方脱臼では肩の後方が隆起し、前方が平坦になります。
烏口突起は顕著に見えます。
上腕は内転と内旋位で保持されます。

参考文献

Zacchilli MA, Owens BD. Epidemiology of shoulder dislocations presenting to emergency departments in the United States. J Bone Joint Surg Am. 2010 Mar;92(3):542-9. doi: 10.2106/JBJS.I.00450. PMID: 20194311.

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