長胸神経の解剖学

タム
今回は長胸神経を復習していきましょうか。

白タム(学生)
よろしくお願いします。

タム
長胸神経の英語表記はLong Thoracic Nerveです。
"Long"は「長い」
"Thoracic"は「胸の」
"Nerve"は「神経」を意味しているので略称は"LTN"が使われることが多いです。

長胸神経の始まり

タム
長胸神経は何番目の神経根に由来するか覚えていますか?

タム
そうですね。標準的にはその通りです。(個体差についてはここでは言及しません)
この辺の知識は障害された神経を特定する検査を理解するために必要です。

長胸神経の走行

タム
腕神経叢のC5,C6前枝が上神経幹(Superior trunk)、C7の前枝が中神経幹(Middle trunk)になりますが、長胸神経は脊柱から神経根が出てすぐ神経幹が形成される前に神経根の後ろを下っていきます。
この時に中斜角筋を貫通していることもあります。

白タム(学生)
中斜角筋って腕神経叢だったり肩甲背神経だったり、長胸神経だったりいろいろ貫通してることがあるんですね。

タム
そうなんです。中斜角筋自体もこの辺の神経も個人差がありすぎるのでいろんなパターンが存在しますね。
長胸神経は第2肋骨を木挽き台のように利用して上で動くことができ、平均60度の角度で方向を変えることができます。

タム
そして前鋸筋を支配します。
前鋸筋(Serratus anterior m.)基礎データ
起始:第1〜9肋骨
停止:肩甲骨前面の内側縁
支配神経: 長胸神経

作用:肩甲骨の外転、上方回旋
拮抗筋: 大菱形筋、小菱形筋、僧帽筋

白タム(学生)
めちゃくちゃ長い神経ですね。

タム
この長さと細さで障害されやすいと考えられています。
長胸神経の障害は翼状肩甲を引き起こすことで有名ですね。

Twitterでフォローしよう