肩関節






肩関節の解剖学

肩関節の解剖学は非常に複雑です。
肩関節解剖学に関する多くの研究があり、年々理解が進んでいます。

まずは肩関節を代表する筋腱複合体であるローテーターカフから見ていきましょう。

ローテーターカフ

ローテーターカフ(RC:Rotator cuff)は棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋で構成される腱で、これらの腱は結合し、馬蹄形に上腕骨に付着します。

日本語では回旋筋腱板と呼ばれますね。略称としてRCと表記されることもあります。
ローテーターカフの比較解剖学(Comparative anatomy)では、腱板構造は二足歩行動物(Bipedal animals)に見られる特徴であり、進化過程における日常的なオーバーヘッド活動への解剖学的適応と考えられています[Sonnabend DH et al.,2009]。

棘上筋

英語表記はSupraspinatusで略称はSSPです。
Supraが上を、spinatusが棘を意味するため合わせて棘上筋、そして略称がSSPになるのが理解できるかと思います。
起始:肩甲骨の棘上窩
停止:上腕骨の大結節
作用は肩関節の外転
支配神経:肩甲上神経
より詳しい棘上筋の3DCGを用いた解説と臨床応用をみる

棘下筋


英語表記はInfraspinatusで、略称はISPです。
Infraが下を、spinatusが棘を意味するため棘下筋となり、略称がISPとなります。
起始:肩甲骨の棘下窩
停止:上腕骨の大結節
作用:上腕骨外旋、水平伸展
支配神経:肩甲上神経

肩甲上神経の支配筋は棘上筋と棘下筋です。同じローテーターカフである棘下筋の下にある小円筋は腋窩神経支配で、肩甲骨前方にある肩甲下筋は肩甲下神経支配です。

参考文献

・Sonnabend DH, Young AA. Comparative anatomy of the rotator cuff. J Bone Joint Surg Br. 2009 Dec;91(12):1632-7. doi: 10.1302/0301-620X.91B12.22370. PMID: 19949130.