腕神経叢の基礎解剖学

タム
今回は腕神経叢を復習していきましょうか。

白タム(学生)
はい!

タム
腕神経叢の英語表記は"Brachial plexus"です、
"Brachial"は「上腕」を意味しており、
"plexus"は「叢」を意味しています。

腕神経叢の構成

タム
腕神経叢は下4つの頸椎神経根(C5、C6、C7、C8)と第1胸椎神経根(T1)の前枝が結合して構成されています。
腕神経叢の個人差は大きく、C4やT2からの線維が組み合わさっていることも珍しくありません。

タム
腕神経叢は、神経根を3つの幹(trunk)にまとめており、幹は分割されて再度3つの束(Cord)になります。
3つの幹(神経幹)の
・上神経幹(Superior trunk)はC5とC6から
・中神経幹(Middle trunk)はC7から
・下神経幹(Inferior trunk)はC8とT1で構成されます。

タム
この3つの神経幹は前部(anterior division)と後部(posterior division)の2つに分かれて神経束(cord)を構成します。

タム
3つの神経束は
・上神経幹と中神経幹の前部からなる外側神経束(lateral cord)
・下神経幹の前部からなる内側神経束(medial cord)
・3つの幹の後部からなる後神経束(posterior cord)があります。

タム
後神経束からは腋窩神経と橈骨神経が出て、
外側神経束からは、筋皮神経と正中神経の一部が出て、
内側神経束からは、尺骨神経と正中神経の一部が出ます。
正中神経はV字型に合流して腕神経叢の最大の末梢の神経となります。

腕神経叢の走行

タム
椎間孔から出た神経根は前方を前斜角筋と後方を中斜角筋、底辺を鎖骨で囲まれた斜角筋隙(Interscalene triangle)を通過しますが通過前にはすでに長胸神経や肩甲背神経は分枝しています。

タム
神経幹(Trunk)を形成するのは斜角筋隙のあたりになります。

タム
さらに下っていくと、烏口突起の内側、第一肋骨の外側、肋骨の上前方、鎖骨の後下方の肋鎖間隙を通過します。
この領域では腕神経叢は前部と後部に分かれ3つの神経束になります。

腕神経叢の覚え方

タム
腕神経叢の覚え方はいくつかありますが、評判のよかったものを紹介します。

白タム(学生)
腕神経叢覚えるの大変なんですよね。

タム
ぱぱっと作ったものなのに予想外に反響があってちょっと戸惑いました。
ただ、見ただけでは忘れやすいので実際に描いてみる方が良いと思います。

白タム(学生)
大体こういうのは実際自分で書いてみないと覚えにくいですもんね

タム
一応動画以外でも覚えたかの解説をしますね。
(動画じゃないとわかりにくいと思いますが)

白タム(学生)
はい!

タム
まず、これまで書いてきたように腕神経叢はC5~Th1の5本の神経根で構成されています。

タム
上下の神経(C5,6とC8,Th1)は繋がり、真ん中のC7は他の神経と繋がりません。

タム
この神経には名前が付きます。

タム
ここからが複雑になります。
下神経幹の方から覚えていくのが覚えやすいと思います。
まず、「同じラインと1個上のライン」に繊維を出します。

「同じラインと1個上のライン」がポイントです。

タム
次に真ん中のライン(中神経幹)です。
下のライン(下神経幹)と同様に「同じラインと1個上のライン」に繊維を出します。

タム
次に上のラインです。
同じように「同じラインと1個上のライン」を引きたいですが、「1個上のライン」がないので代わりに「1個下のライン」を引きます。

タム
また3つの神経束になりましたね。
真ん中の束は後方に位置するので「後神経束」
上の神経束は「外側神経束」
下の神経束は「内側神経束」と呼ばれます。

タム
後神経束は腋窩神経と橈骨神経になります。

タム
外側神経束と内側神経束はそれぞれ、筋皮神経と尺骨神経を出します。

タム
また、外側神経束と内側神経束からの繊維は合わさって正中神経になります。

白タム(学生)
でまとめるとこうなるんですね。

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