補完代替医療の使用の選択は科学的妥当性の評価に関係ない

スペインで行われた調査では,5,200人の住民を対象に,補完代替医療(有効性や安全性を保証する科学的知識や証拠がない)の使用割合とどのような変数が関係するか調査された[1].

この研究の主な結果は,補完代替医療の使用は科学的妥当性の評価に関係なく,その有用性に対する信頼と関連していたことである.

インタビュー対象者の年齢,世帯収入,教育水準によって調整された.科学的妥当性とホメオパシーや鍼治療などの補完代替医療の使用の関連

科インタビュー対象者の年齢,世帯収入,教育水準によって調整された.有効性に対する信頼とホメオパシーや鍼治療などの補完代替医療の使用の関連

「治療法がどの程度科学的に妥当であると思いますか?」という問いに対する妥当性の認識が補完代替医療の利用と相関していないことは,科学的な検証結果を補完代替医療を利用する患者さんが意思決定において重要視していないことを示唆している.

代替医療への信頼は証拠によって揺るがされない

補完代替医療に対する信頼の強さは,しばしば患者さんの個人的な信念や経験に根ざしている.これにより,補完代替医療が科学的根拠に基づいて効果があるか否かにかかわらず,患者さんの選択肢として引き続き受け入れられている理由となっている可能性がある.

「このような治療法が効かないことはすでに数多くの試験で明らかになっているが,その結果は単に否定または無視されている.代替医療への信頼は,このような方法では揺るがされない[2]」といったような,主張は正しいのかもしれない.

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参考文献
[1]Segovia, Gregorio & Sanz-Barbero, Belén. (2022). “It Works for Me”: Pseudotherapy Use is Associated With Trust in Their Efficacy Rather Than Belief in Their Scientific Validity. International Journal of Public Health. 67. 1604594. 10.3389/ijph.2022.1604594.[2]Macartney JI, Wahlberg A. The problem of complementary and alternative medicine use today: eyes half closed? Qual Health Res. 2014 Jan;24(1):114-23. doi: 10.1177/1049732313518977. Epub 2014 Jan 9. PMID: 24406483.

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