肩甲胸郭関節の基礎解剖学

白タム(学生)
はーい

タム
肩甲胸郭関節の英語表記は"Scapulothoracic joint"です。
"Scapulo"は「肩甲骨」
"thoracic"は「胸の」
"joint"は「関節」を意味していて、
略称としてはSTjtが使われることが多いです。

タム
肩甲胸郭関節は肋骨と肩甲骨の間の関節で、肩甲骨が胸壁に対して相対的に動きます。
この関節は解剖学的関節ではなく、生理学的関節です。
それでも肩複合体にとって重要であるため、よく研究されています。

肩甲胸郭関節の役割

タム
肩甲骨は、肩甲上腕関節の動きの基盤をつくります。
肩甲上腕関節を適切な位置に配置するために肩甲骨は安定している必要があります。

タム
主に肩甲骨を挙上(Elevation)する筋は僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋、菱形筋です。
肩甲骨を下制(Depression)する筋は僧帽下部線維、小胸筋、前鋸筋です。
肩甲骨を外転(Protraction/abduction)する筋は前鋸筋、大胸筋、小胸筋です。
肩甲骨を内転(Retraction/adduction)する筋は僧帽筋中部繊維、広背筋、菱形筋です。
肩甲骨を上方回旋(upward rotation)する筋は前鋸筋、僧帽筋上部繊維、僧帽筋下部繊維です。
肩甲骨を下方回旋(downward rotation)する筋は広背筋、肩甲挙筋、小胸筋、菱形筋です。

このような肩甲胸郭関節の多様な動きは
1、前鋸筋(anterior serratus)と肩甲下筋(subscapularis muscle)の間
2、前鋸筋と外肋間筋(external intercostal muscle)の間の
で生じています。

肩甲骨と上腕骨の間の協働運動は肩甲上腕リズム(scapulohumeral rhythm)とも呼ばれ、効率的な腕の動きと関節の安定性を最大限に高めるために肩甲骨と上腕骨のアライメントを調整しています[Paine R et al.,2013]。
肩甲上腕リズムは2:1の割合で生じると言われていますが、一定ではありません。

参考文献

Paine R, Voight ML. The role of the scapula. Int J Sports Phys Ther. 2013;8(5):617-629.

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