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ランニングと変形性膝関節症(膝OA)


ランニングが膝OAのリスクになるっていう噂があるようです(初めて聞きました)。

ここでの主題は負荷って悪いものなのかってこと

で、実際どうなのかって話ですが、ここで参考にする論文のタイトルは「ランニングは変形性膝関節症を引き起こす:神話/誤解(原文Running causes knee osteoarthritis: myth or misunderstanding.) 」です。

参考文献:Roberts WO. Running causes knee osteoarthritis: myth or misunderstanding. Br J Sports Med. 2018;52(3):142. doi:10.1136/bjsports-2017-098227

ここではいくつかのランニングと膝OAの関係をついて言及しているシステマティックレビューのレビューと言った感じなんですけど、結論から言えば、「ランニングと膝OAとの関連性について、否定的、肯定的、あるいは全く関連性がないという矛盾した『中等度から低質のエビデンス』が発見された」ようです。

この理由としてはランナーの定義の違いやエリートレベルのランナーが研究に含まれていたことが挙げられています。(エリートランナーの場合膝OAのリスクになる可能性がある)

これをみてランニングが椎間板に及ぼす影響を思い出しました。

ランニングって椎間板に良いんですけど、その理由は恐らく、ランニングによる反復的負荷が血流を促進させるからです。

だから椎間板や半月板に限らず組織に負荷をかけるってことはプラスにもマイナスにもなる可能性があります。現在、負荷=悪いことみたいな価値観って少なからずありますよね。

それを考え直させてくれる研究なのかと思います。

最近では「身体活動のパラドックス」や「怪我予防に負荷を減らすという選択肢は本当に適切だろうか?」の記事を書きましたけど、ここでも同じことが言えます。

負荷ってのはそれだけで悪者かどうか決めることはできません。

臨床思考でこうこうこういうmechanismでここに負荷がかかって疼痛を生むなんて話もききますけど、それも再考しなければいけないですよね。

「その負荷って悪者なの?」

編集後記

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Pain magazineではここまで従来の治療をいくつか批判的に観てきました。 構造主義的な観点、触診・アナトミートレイン・トリガーポイント・サブラクセーション そして今回は「バイオメカニクス」です。 (一応joint by jointとか筋膜とか心因性とかその辺も書こうと思ってます) 私の勝手なイメージですけど、バイオメカニクスを深く勉強している人ってのは勉強熱心なイメージがあります。 また、ある会社で技術と知識レベルの高い先生に「(骨格筋痛に携わる)医療従事者がとりあえず勉強すべきことってなんだと思いますか?」って聞いた時には「バイオメカニクス」と答えていました。 当時は私も同じ考えでした。 バイオメカニクスの知識が高ければ、多くの臨床で高い効果を得られるんじゃないかって思っていたからです。 それは疼痛の知識がなかったからですけれど…つまり「疼痛リテラシー」が欠如していたわけです。 これは疼痛の観点から、バイオメカニクスでは足りないってことに気づいたわけですけれど、他にもバイオメカニクス視点からバイオメカニクスはどうか?って視点も必要になってきます。 ということで今回の主題はバイオメカニクス批判です。 バイオメカニクスってとりあえず勉強しとけば治療の役に立つって考えられていますよね? でもこれって事実か事実じゃないかに限らず思考停止的な考えだと思います。 明確な根拠があるわけじゃなくて「なんとなく正しいだろう」ですよね。 「なんとなく」正しい気がして 「なんとなく」勉強することで疼痛治療に詳しくなった気がして 「なんとなく」それが治療に影響する気がして 「なんとなく」意味があるように感じるんですよね。 なぜなら、バイオメカニクスの理屈って一見論理的だからです。 一見論理的だから正しく見えます。 私が普段よく言っているヴィトゲンシュタインの言葉を借りるのなら「検証されずに確信されていることが多くないか?」に当てはまります。 特にこのバイオメカニクスへの強いフォーカスを促しているのはその”難解さ”だと思います。 解剖学はどちらかというと考えるより覚えるようなものですが、バイオメカニクスは考えなければ理解できません。 人って難解なものを学ぶとそれが正しいと思いがちです。 しかしそれは難解さにゆえ、それの価値を正しく判断することがバイオメカニクスを学ぶ以上に難解になります。 ここでは「慢性腰痛とバイオメカニクス」という観点から批判していきます。 ここでの扱うテーマは慢性腰痛治療において ●バイオメカニクスを勉強することで治療成績は上がるか? ●バイオメカニクスを治療に取り入れる意味はあるのか? です。

-note記事まとめ-

当サイトでは疼痛治療をより良いものにアップデートするためのツールをいくつか提供しています。 疼痛治療では「痛みとは何か」を理解する必要があります。 その理由は単純で疼痛治療の目的に「疼痛」が含まれるからです。 何をするか、どのようにするかは常に目的ではありません。 目的である疼痛が何かを理解しなければ治療は目的に向かうことが難しくなります。 もしかしたら、治療がうまくいかない時は目的を見失っているのかも知れません。 疼痛リテラシーアップデートは現在の疼痛科学に基づいた疼痛を解説します。 疼痛科学に基づいた運動療法は、理論ではなく実技中心です。 従来の運動療法は機能やバイオメカニクスに基づいたものが多く、しかし統計的にみてそれらの運動療法は大きな成果を挙げられませんでした。 疼痛科学に基づいた運動療法は、科学に基づいた運動療法です。 機能やバイオメカニクスという狭い視点から脱却し、運動療法をより良いものに変えたい方にお勧めです。 痛み情報を発信するマガジンです。月額制ではありません。
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