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痛みの強度の評価法毎の違い【NRS・VRS・VAS】


痛みの強度(pain intensity)の評価方法はいくつかあります。

その中で良く使う3つの評価方法(スケール)をここでは紹介し、その違いに言及します。

良く使われる痛みの強度の評価法には

  • NRS(numerical rating scales)
  • VRS(verbal rating scales)
  • VAS(Visual Analogue Scale)

があります。

また、子供向けの評価法として、FRS(Face Rating Scale)があります。

略称が似てて覚えにくい

これらの各スケールは治療における改善を検出するために用いられます。

これらの使い方と違いについてまとめます。

NRSVRSVASの使い方

VASとは?

VAS(視覚的アナログスケール)にはメモリがないのが特徴です。

10cmの線を患者に見せて、左端が痛みなし、右端が想像できる最大の痛みとしたときに、現在の痛みがどの程度かを示してもらう方法です。

NRSとは?

NRS(数値評価スケール)は数値で表すスケールです。

11個のメモリがついた線で、左端のメモリが痛みなし、数値は0と、右端が想像できる最大の痛み、数値は10とする11段階の評価方法です。

VRSとは?

VRSはよりメモリが少なく、4段階評価です。

  • 0:痛みなし
  • 1:少し痛い
  • 2:かなり痛い
  • 3:痛い
  • 4:耐えられない程痛い

NRSVRSVASの違い

検者は患者に合わせて評価方法を変えられるのが理想的です。

まずVASNRSは評価と再評価間の信頼性があります。(1,2)

一方VRSは信頼性が不明であるため、VASNRSを優先するべきです。

VASの欠点としては、数値が記されたメモリがないため、運動能力や認知能力が必要になります。

運動能力や認知能力に問題がない場合はどちらも使えます。

特にVASNRSの使い分けをこだわる場合はVRSNRSVASよりも治療後の疼痛強度の変化に敏感になる可能性があります。

というのも、VASはメモリがないのに対し、NRSVRSはメモリがあるため、以前と比べて痛みが強い、弱いと明確に表現できます。

またNRSは口頭で受け答えできるので運動障害のある患者にとってはより簡単に評価できます。

VRSVASNRSと異なり、形容詞を用います。これは患者間で患者が意味する表現が変わる可能性があります。

参考文献

(1) Fischer D, Stewart AL, Bloch DA, Lorig K, Laurent D, Holman H. Capturing the patient’s view of change as a clinical outcome measure. JAMA. 1999;282(12):1157–1162. doi:10.1001/jama.282.12.1157

(2) Bergh I, Sjöström B, Odén A, Steen B. An application of pain rating scales in geriatric patients. Aging (Milano). 2000;12(5):380–387. doi:10.1007/bf03339864

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