
完成していませんが徐々に作成していきます。
喫煙が椎間板変性に寄与するメカニズム
Jacksonらは喫煙と椎間板変性の関係をまとめています[1]。
椎間板変性の原因として、椎間板への栄養供給不足、異常な機械的負荷、遺伝的要因などが検討されていますが、多くの研究で、現在または過去にタバコを吸っていた人は、椎間板の一般的な変性の徴候が増加する証拠が見つかっているため喫煙は椎間板への栄養供給不足を引き起こす可能性があります。喫煙による椎間板変性のメカニズムとして最も広く受け入れられている仮説は、一酸化炭素による無酸素状態や喫煙による血管障害が、椎間板の細胞の栄養不良を引き起こすというものです。
これまでの研究でタバコの煙には、血液中の栄養供給を変化させ、椎間板周辺部の栄養を減少させる可能性のある成分が多く含まれていることが明らかになってきました。例えばタバコの煙に含まれるタールは動脈血の酸素濃度を低下させ、ニコチンは椎体の血流を低下させます。さらに最も重要なこととして喫煙により血中の一酸化炭素濃度が上昇することで酸素濃度の低下をもたらします。
椎間板にはほとんど血管が存在しないため栄養供給の減少による影響が他に組織よりも顕著に現れると考えられます。
参考文献
[1]Jackson, A. R., Dhawale, A. A., & Brown, M. D. (2015). Association Between Intervertebral Disc Degeneration and Cigarette Smoking: Clinical and Experimental Findings. JBJS reviews, 3(3), e2. https://doi.org/10.2106/JBJS.RVW.N.00057