上腕二頭筋は肩甲骨に起始し、橈骨に停止するため、肩関節と肘関節の両方に作用することができます。

<上腕二頭筋の基礎データ>

名称 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
・長頭(ちょうとう)
・短頭(たんとう)
英語表記 Biceps brachii muscle
・Long head
・Short head
略称  BB
・LHB
・SHB
起始 長頭:肩甲骨の関節上結節
短頭:肩甲骨の烏口突起
停止 橈骨粗面、前腕筋膜
支配神経 筋皮神経
神経根/分節 C5-C6
作用 肘関節:前腕の屈曲、回外
(肩甲上腕関節:上腕の屈曲)
血液供給 上腕動脈

<前方から見た上腕二頭筋>

上腕二頭筋の起始

起始 長頭:肩甲骨の関節上結節
短頭:肩甲骨の烏口突起
上腕二頭筋長頭は「肩甲骨の関節上結節」から、短頭は「肩甲骨の烏口突起」から起始し、下方へ向かって走行します。
上腕二頭筋腱長頭腱は長さは約9cmで、上関節上腕靭帯、烏口上腕靭帯、棘上筋腱・肩甲下筋腱の深部線維から構成されるBiceps reflection pulleyが安定化に役立っています。より下方ではローテーターインターバルよって安定化されながら関節を出ていきます。
上腕二頭筋長頭腱は、肩甲上腕関節を前方で安定させ、上腕骨頭を動的に押し下げる役割を果たします。

上腕二頭筋の停止

起始 橈骨粗面、前腕筋膜

起始から下方へ向かって伸びた上腕二頭筋は「橈骨粗面(Radial tuberosity)、前腕筋膜」に停止します。

上腕二頭筋の支配神経

支配神経 筋皮神経

上腕二頭筋は「筋皮神経(Musculocutaneous nerve)」によって支配されています。

上腕二頭筋の作用

作用 肘関節:前腕の屈曲、回外
(肩甲上腕関節:上腕の屈曲)

上腕二頭筋は「肘関節において前腕の屈曲、回外」作用を有しています。肩甲上腕関節の上腕の屈曲は明らかではありません。

肘関節屈筋

肘関節の屈筋上腕筋上腕二頭筋腕橈骨筋円回内筋で構成されます。


<前方から見た肘関節屈筋群>

<前方から見た肘関節屈筋群(線)>

<肘関節屈筋の運動神経支配>

神経支配
上腕筋 筋皮神経(C5-C6)
上腕二頭筋 筋皮神経(C5-C6)
腕橈骨筋 橈骨神経(C5-C6)
円回内筋 正中神経(C6-C7)

前腕回外筋

前腕回外筋上腕二頭筋回外筋構成されます。


<後方から見た前腕回外群>

<後方から見た前腕回外群(線)>

<前腕回外筋の運動神経支配>

神経支配
上腕二頭筋 筋皮神経(C5-C6)
回外筋 橈骨神経(C6)

上腕二頭筋の血液供給

血液供給 上腕動脈

上腕二頭筋は「上腕動脈(Brachial artery)」によって栄養されています。

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参考文献
[1]Sinnatamby, C. S. (2011). Last’s anatomy: Regional and Applied. Churchill Livingstone.
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[3]Drake, R., PhD, Vogl, A. W., PhD, & Mitchell, A. W. M. (2022). Gray’s basic anatomy.
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[5]Schünke, M., Schulte, E., & Schumacher, U. (2016). Atlas of Anatomy. Thieme Medical Publishers.
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