紅谷先生、よく「健康のためには1日1万歩!」って聞くじゃないですか。あれって…本当なんですか?

うんうん、蔵元くん、それはね……昔の話よ。今どき“1万歩”はアップデートの対象ね。

えっ、じゃあ……歩かなくてもいいってことですか?

そうじゃないのよ。実はね、たった2000歩から4000歩に増やすだけで、全死因死亡率が36%も下がるってデータがあるの[1]。

さ、36%!?4000歩って……ちょっとコンビニ寄って遠回りしたくらいじゃないですか。

そう、その“ちょっと”が命を救うのよ。しかもね、7000歩までいけば、死亡率は47%減っていうのも出てる。

じゃあ、1万歩じゃなくても健康には十分効果あるってことですね。

そう!リスクは12000歩までは、1000歩ごとに減り続けるんだけど、一部はね、7000歩超えると減少効果が鈍くなる。いわゆる頭打ち状態になるの。

なるほど…。ちなみに、どんな病気に効くんですか?

例えばね、心血管疾患、認知症、転倒、全死因死亡率は「ちょっと歩くだけでぐんと下がる」タイプ。

ええっ、そんなに歩かなくても効果あるんですね。

うん、でね、がん、心疾患死亡率、糖尿病、抑うつ症状はまたちょっと違ってて、歩けば歩くほどまっすぐにリスクが減る。7000歩以上も無駄じゃないのよ。

がんの予防にも関係あるんですか?

がん発症は微妙で、6%減で有意じゃなかったけど、がん死亡率は37%減って結果も出てるわよ。

へぇ…。ところで、歩く速さも関係あるんですか?

いいところ突くわね。速く歩く=死亡率が下がる傾向はあった。でもね、他のアウトカムとの関係はちょっと混乱してて、歩数で調整すると消えることが多かったのよ。

じゃあ、速くなくていいからまず歩けと。

そうそう。歩き出すことが先。要はね、「Every step counts(一歩一歩が命を救う)」ってこと!

じゃあ今日はエレベーター使わず、非常階段で7階まで登ります!

いいね〜。ついでに病院も一周多く回っときなさい。ね、命の一歩!

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