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言葉は患者を傷付け、患者を助ける


words matter(言葉は重要)

easy to harm hard to heal(傷つけることは容易く、癒すことは難しい)

そして、sticks & stones(私は言葉に怯まない)

痛み医学では慢性痛と言葉はこの様に関連付けて表現されています。

ここでは、sticks & stones:骨格筋リハビリテーションにおける言語の影響という論文から言葉の重要性についてまとめます。

参考文献

Stewart M, Loftus S. Sticks and Stones: The Impact of Language in Musculoskeletal Rehabilitation. J Orthop Sports Phys Ther. 2018;48(7):519–522. doi:10.2519/jospt.2018.0610

sticks & stonesとは?

この論文のタイトルであるsticks & stonesは日本では馴染みがないので、先にこの解説からします。

sticks & stonesは元々、

Sticks and stones will break my bones, but words never hurt me.

から来ています。

直訳すると、棒や石では骨を折るけど言葉で傷つくことはない

つまり

他人になんか言われても傷つくことはない、私は言葉に怯まない!

ということです。

言葉の重要性

言葉が重要視されるのは、痛みの予後因子が病理学的因子よりも心理的因子の方が効果的だと分かっているからです。

構造モデルの施術者は患者に対し、病理解剖学的な言葉に焦点を当て、患者に説明することで、皮肉にも患者を持続的な疼痛に陥らせている可能性があります。

「他人に出会すということは別の世界に出会すことである」(To encounter another human is to encounter another world.)

Bullingtonらは言いました。

詳しくは「5Es

患者の痛みのレシピには我々施術者の言葉が含まれています。

施術者と患者の関わりが痛みを変化させます。

我々の病理解剖学に基づいた言葉に曝露することで患者の中に新たな痛みの認知が形成されるのです。

より難しいのは我々の説明の認識が、施術者と患者では異なるということです。

例えば我々はほとんどの椎間板変性は痛みを引き起こさないことを知っていますが患者からすれば、まるで脊柱が脆弱な状態であると告げられた様に感じるかもしれません。

言葉

この図は上記論文から引用しています。(左が気をつけるべき言葉で右が修正案です)

例として、患者に使うのであればこんな言葉が良いのかも知れません。

退行性変性と言わず、通常の年齢変化であると伝えた方が良いかもしれません。

陰性ではなく、正常。

あなたの腰は不安定です。ではなく、コントロールと強さが必要です。

感覚異常が起きているではなく、感覚の変わっていると。

損傷がある、ではなく修復できるものです。

前弯、後弯だから悪いのではなく、それは個人差でしかない正常なカーブです。

ヘルニア?、いやただ少し押されているだけです。

懸念

経営のため、脅迫めいた説明が使われていることがあります。

あなたは将来こんな重篤な状態になります。

今は症状がなくても体の状態は悪いです。

体が歪んでいます。硬いです。

なぜ接骨院は効果がない骨盤矯正を売るのか?これを疑問に思った真面目なセラピストはそこそこいると思います。何故そんな性格の悪いことが平然とできるのかと。 科学的に意味がないといえ...

これは自覚症状のない肩こりです。

もしかしたら多くの治療院は長期的にみて患者を悪くしているのかもしれません。

言葉に気をつけなければいけません。