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姿勢・構造分析を批判する


巷ではまだまだ姿勢矯正や骨格の歪みとかへのアプローチがやられています。姿勢以外にも構造に着目したアプローチは多いです。

痛みを取るために姿勢などの構造を直すべき根拠は本当にあるのでしょうか?

今回はlederman氏の論文から骨格や構造についての情報を紹介します。

これを見た後に本当に構造に着目したら痛みが取れるかを考えるべきだどおもいます。

構造モデルに疑いを持つ

以下はledermanの論文からの引用です。

※上記論文より引用

10代の脊椎非対称性、胸椎後彎症、腰椎前彎症と、成人期に発症するLBP(腰痛)との間には関連がない。

妊娠中の脊柱前弯、矢状面での明らかな骨盤の前傾増加は背部痛との関連性はない。

妊娠中の背部痛発症のより強力な予測因子は,BMI、過度の可動性、無月経の既往、低い社会経済的地位、LBPの既往、胎盤の後底位、下肢への放散痛を伴うLBPに対する胎児体重だった。

成人では、側弯症と同様に腰椎前彎の程度は背部痛との関連を示さない。

腰椎分節角度、分節間の可動域の違いはLBPの将来の発症との関連を示さない。

椎間板変性と非特異的腰痛との関連性が示唆されているが、レントゲンおよびMRI所見に将来のLBPを予測できない。

デンマークの20~71歳の双生児34,902人を対象とした集団ベースの研究では、若年者と高齢者の間でLBPの頻度に有意な差はみられなかったが、高齢者ではより大きな椎間板変性が予想される。つまり椎間板変性の大きさと腰痛はあまり関連しない。

椎間板変性とLBPの間では、腰痛関連遺伝子は椎間板変性にも関与することが示唆されている。つまり、疼痛は脊椎の機械的変化によるものではなく、共通の生物学的因子によるものである可能性がある。

これらの遺伝因子は背部の形状とは関連していないが、コラーゲンおよび免疫修復系/過程の個人差と関連している。

双生児では、47%から66%もの脊椎の変性が遺伝的および共通の環境因子によることが示されたが、強度の高い職業またはスポーツ活動による身体的ストレスによって説明できる変性は、わずか2%から10%しかない。

腰椎の先天異常とその部位の疼痛との関連性は認められていない。これらはLBPの原因ではないが、疼痛レベルを決定しうる。

脊柱の中立位は安定性とLBPに関係していると主張されている。

この機械的概念は数学的モデルと死体実験から導かれたものです。

30年前のその理論以来、中立位の機械的変化とLBPの相関を示す研究は存在しない。

神経根痛患者のMRI研究において、椎間板の変位、神経圧迫の程度は、患者の主観的疼痛の大きさまたは機能的障害のレベルと相関しない。

しかし重度の神経圧迫、椎間板突出、下肢遠位部痛の間には強い関連性がある。

脊椎を越えた他の構造と背部痛との関連性は確認されていない。

例えば,骨盤傾斜/非対称性、外側仙骨底角との腰痛との間に相関はない。

腰痛の原因としての脚長差は過去30年間議論されてきた。人口の約90%が平均5.2 mmの脚長差を持つと推定される。

解剖学的な下肢の長さの不等式は、その大きさが約20mmに達するまでは、ほとんどの人で臨床的に有意ではないことが示唆される。

背中の痛みを経験した人を無症候性の人と比較したいくつかの研究では相関が示唆されているが、下肢の長さの不均衡とLBPとの間に相関が認められなかった前向き研究の方がより適切である。

病気や肥満の結果、後年になって脚の長さに差を生じた患者は、LBPとの関係を明らかにするのに役立つかもしれない。

ペルテス病のために脚が短くなった患者は、脚の長さの不均衡、腰椎側弯症、腰背部の障害との間に相関が低い。

股関節骨折または置換による下肢の長さに著しい変化がみられた患者を対象とした研究では、このような変化は手術の数年後に評価された背部痛と関連していなかった。

下肢およびハムストリングの硬さおよび腰筋緊張は将来のLBPを予測することはできない。

足の生体力学に関しては足の矯正が腰痛予防に効果がないという強い証拠がある。

驚くべきことに、過体重/肥満などの全身変化でさえもLBPとの関連性は低い。

一般的な考えに反して最近の研究はより高い体重(平均約30ポンド)による累積的または反復的負荷が椎間板に有害でないことを示した。

体幹の運動制御は、筋肉機能および姿勢に関連する。ある種の神経筋要素もLBPとの明らかな関連を示さなかった。

以前の研究は筋持久力とLBPの間の関連を示したが最近のシステマティックレビューは体幹筋持久力がLBPと関連しないという強い証拠を見出した。

体幹筋力の低さとLBPの間の関連性に対する決定的な証拠はないことを見出した。

伸展時の脊柱起立筋の不均衡とLBPの間には関連性がない。

背部痛が腹横筋のような特定の筋の収縮のタイミングの違いによることを示した研究は今までなかった。これらのコントロールの変化は、すでに腰痛がある人にのみ観察されている。これらはおそらく背部痛の原因ではなく転帰を表している。

仕事やスポーツ活動における長時間の姿勢ストレスがLBPの原因であると考えられているが、研究では長時間の立位、屈曲、捻転、ぎこちない姿勢(ひざまずいたりしゃがんだりすること)、仕事中の座位姿勢、長時間の座位と休憩中のような姿勢を含む、仕事と関係した姿勢とLBPの間の関連性がないことを示している。

従来の治療モデルからは脱却すべき

以上をはじめどんどん従来の治療モデル(structure model)を否定する論文が増えています。

我々は新しい治療モデルで患者にアプローチしていく必要があります。

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