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患者に骨格の歪みや筋の硬さ、姿勢不良を伝えることで患者の症状は悪化する(慢性痛)


慢性痛に対する、従来の生物医学モデル(biomedical model)に基づいた治療では、骨格が歪んでいるとか、筋が硬い、姿勢が悪いなどの要素が疼痛を生み出すと考えられていたため、数十年にわたって臨床家は患者にそのような表現をしてきました。

そのため一般的に筋が硬いと症状を生むと信じられ、マッサージをするとまるで筋血流量が上昇すると信じられ、それにより症状が改善すると信じられています。
しかしこれは全てエビデンスがないだけでなく、否定されています。

これと似たような信念(belief)は多く、姿勢が悪いと痛みを引き起こすと考えている人は多く、よりフォーカスしたモデルでは骨盤や骨格の歪みが症状を引き起こすと信じられ、患者はそこに原因を追求します。

現代においても臨床家の中にはその信念を深く信じ込んでいるひとがみられ、しばしば「痛みが取れないのは真のトリガーポイントをみつけられてないからだ」とか「真のサブラクセーションをみつけられてないからだ」とか「見逃した組織があるのではないか」と言っている人を見かけます。

しかしこれらの理論は古く、まるで痛みは侵害受容刺激によって生み出されているという勘違いを生みます。

痛みの定義をみれば明らかなように痛みは単に侵害受容によって生み出されているわけではありません。

それを表現するようにBPS modelを使って説明されたり、最近では5Esによって説明がされます。

それでも多くの臨床家や患者の信念には未だ構造学的な病理学的な問題が痛みの原因であると深く刻み込まれています。

これらはいままで生物医学モデル(biomedical model)に従って患者に症状の説明をしてきたツケと言えます。

Structure model(構造モデル)が患者を苦しめる

このような歪みや硬さに依存した考えをstructure modelといます。

先程挙げた、BPS modelや5Es mdoelに基づけば、structure modelのように本来患者の痛みを取るための理論である歪みや硬さの説明が患者の痛みを増幅する要因になっている可能性さえあります。

具体的には、患者が自らの硬さや歪みを悪いものと自覚することで脳内で「予測処理」がおこります。歪んでいるから損傷があるだろう。硬いから損傷があるだろう。という信念を生み出し、痛みを形成したり増加します。

さらにこのようなレッテルは患者に不安や恐怖をあたえ、その心理がさらに痛みを悪化させます。

Structure modelは患者の信念を形成する

以上のように痛みにかんする誤った信念が患者の痛みを生み出したり増加させる可能性は十分あります。

そのため、エビデンスの逆を行く、姿勢の歪み、骨格の歪み、硬さ、血流の悪さ、サブラクセーション、筋膜の癒着、トリガーポイントなどのstructure modelを広めている事自体、患者の悪い信念の形成を手助けしています。

患者に間違った信念が形成された上で、正しい知識を広めるのは個人の力では難儀します。
特に初診患者に伝えることはかなり難しいと思われます。

患者が姿勢が悪いから腰痛になっていると思いこんでいる場合、それを否定してしまえば不快感が生まれより否定的になる可能性があります。

これをなくすためにも我々は従来のstructure modelから早期に脱却して患者の信念を変えていく必要があります。

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