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腱板疎部の触診と機能解剖学【場所はどこにあるの?】


ローテーターカフの周囲ではよく、上腕二頭筋長頭腱(Long biceps tendon:LBT)損傷、棘上筋腱と肩甲下筋腱(Supraspinatus and subscapularis tendon)損傷、関節唇や関節包(labrum and joint capsule)損傷、滑液包(bursa)損傷がみられ、鑑別のため必須の知識となります。

腱板疎部の解剖学

腱板疎部(rotator cuff interval:RI)は、肩甲下筋腱(subscapularis muscle/tendon:SSC)の内側と前棘上筋/腱(supraspinatus muscle/tendon:SSP)前方と烏口突起(coracoid process)の介在により形成される三角形の領域にあります。

腱板疎部

※画像はThe Rotator Interval – A Link Between Anatomy and Ultrasoundから引用

腱板疎部の機能

腱板疎部は肩関節の安定性と機能において関連する役割を持つ複雑な解剖学的領域で、上腕二頭筋の長頭の腱を支持し、前方内側および前方下方(外旋と外転で)の脱臼を予防する。

また腱板疎部は、肩関節の可動域を制限することによって、肩甲上腕関節下部(inferior glenohumeral joint)の安定性をもたらします。

ローテーターカフは棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、および小円筋(teres minor:Tm)の腱から構成されます。

ローテーターカフは肩関節の重要な動的安定剤で、上腕骨頭を関節窩に押し込むことにより、外転や挙上時に三角筋の収縮によって誘発される上腕骨頭の上方移動を防止する作用を持ちます。

また、外転や外旋での上腕骨頭の過前方移動を制限します。

腱板疎部は肩甲上腕靱帯(coracohumeral ligament:CHL)によって外部的に補強された肩甲上腕関節包の前上面で、上肩甲上腕靱帯(superior glenohumeral ligament:SGHL)と、結節間溝(bicipital groove)の内側に挿入する関節包線維によって内部的に補強されています。

腱板疎部の触診

腱板疎部は肩関節の前面にある。

腱板疎部の触診

具体的には烏口突起の外側で少し上方、棘上筋腱と肩甲下筋腱の間にある。

その為、棘上筋腱と肩甲下筋腱を肩関節前方で触れる必要がある。

もう少し精度を上げるのであれば、上腕二頭筋長頭腱も触れられる事が望ましい。

結節間溝を上行し、長頭腱がない方に折れ曲がる辺りが、腱板疎部の外側になり、折れ曲がった上腕二頭筋長頭腱は腱板疎部の上方を深部で走行する。

つまり、烏口突起を触診し、棘上筋腱と肩甲下筋腱の間の溝が腱板疎部にあたるため、烏口突起棘上筋腱肩甲下筋腱と触診し、その三角形の間を見つけるのが触診法となる。

烏口突起の触診

烏口突起の触診

烏口突起の触診は比較的容易で上腕骨小結節(大雑把に上腕骨頭でも可)の内方の鎖骨下方に骨の出っ張りがある。

慣れないうちは手掌で触診すると容易に触れる事ができます。

棘上筋腱前面の触診

棘上筋腱の触診

棘上筋腱は鎖骨や肩峰に隠れている為、触診が難しいですが、肩関節伸展位に置くと、上腕骨頭上部で腱が触れやすくなります。

その状態から棘上筋を収縮させるように軽度外転をすることで、感じ取る事ができます。

肩甲下筋腱前面の触診

肩甲下筋腱の触診

上腕骨小結節から内方に触れる事ができます。大胸筋の繊維束よりも上方に触れられます。

大胸筋よりも三角筋の前部繊維が、邪魔をして触りにくくなります。三角筋も肩甲下筋も内旋で収縮するため、見分けづらく繊維方向と深度で見分ける必要があります。

また、肩甲下筋腱の前面には上腕二頭筋短頭腱や烏口腕筋腱があります。

これらは肩関節の屈曲で判別し避ける必要があります。

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