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骨格筋痛に対するアプローチを学ぶための学習ピラミッド(自論)


骨格筋に対するアプローチを学ぶ上で、私が重視しているのは、学習方法です。

よく解剖学の知識やアプローチスキルが注目されますがそれでは最も重要なことを疎かにしてしまうように思えます。

ここでは、骨格筋痛に対するアプローチを学ぶ上で、学習の優先順位、各項目の重要度を明確にするためのピラミッドを作成します。

 

3つの土台

骨格筋痛に対する知識やスキルを3つに分類します。

  • foundation(基礎)
  • clinical knowledge(臨床知識)
  • clinical skills(臨床技術)

ここでのclinical skillsというのは、アプローチする上で必要な徒手療法や運動療法、心理療法などといった、患者とセラピストが相互に作用する手段です。

clinical knowledgeは解剖学や生理学、バイオメカニクス、痛み学、リスク管理などの、骨格筋痛とclinical skillsの基になる知識です。

clinical knowledge自体が患者に直接影響する訳ではなく、clinical skillsを適切に用いるための土台となります。

foundationが最も基礎的で最も重要な土台です。

foundationは統計学、英語力、批判的思考力、論理学とこれらを活用した情報リテラシーのことをいいます。

医療系の学校ではあまり習うことがないため、疎かにされがちなものです。

 

3つの土台の相互関係

医療系の学校の学生時代にはclinical knowledgeclinical skillsの基礎を学ぶ訳ですが、foundationなくして、これらの正当性や相互関係を理解することはできません。

例えば、徒手検査法を学校で習いますが、その徒手検査がどれだけ信頼できるものか学びません(先生の意向で習うところもありますが)

例えばある徒手療法を習いますが、その徒手療法の妥当性については学びません。

学校を卒業してからは自身で勉強するか会社の研修やセミナーに参加しclinical knowledgeclinical skillsを学びますが、学校というある程度の信頼性のある学習機関から独立した環境では、どの情報が適切でどの情報が不適切かの判断は全て自身に課せられます。

その判断スキルがここでのfoundationです。

私は学生時代、また卒業後にさまざまなclinical skillsを習いました。

しかしそれらの9割以上は現在使っていません。

それもfoundationを高めることなく、ひたすら、闇雲に、今からみれば思考停止のようにclinical knowledgeclinical skillsの勉強をしていたからです。

今から考えれば、「そんなことある訳ないじゃん」ということですら、学んでいました。

ポジティブな言い方をすれば貪欲に、しかし現実的には愚かな学習方法です。

そのため適切に学習をするためにはfoundationを高める必要があるのです。

論理的思考能力を量りたければ、そのためのテストがあるのでそれを解き、低ければ勉強が必要です。

英文が読めなければ、英語の勉強が必要です。医学論文の9割が英語なのです。

統計学が分からなければ、平均の勉強からやり直せば良いのです。

しかも現代ではこれらfoundationYouTubeやブログで無料で学べます。

ということでfoundationは最も土台となるものです。

clinical knowledgeclinical skillsの相互関係については言わずもがなかも知れません。

例えば触診にしても、知らない組織を認識することはできません。

例えば徒手療法の作用機序は生理学を知らないと理解できません。

これらを知らずに臨床に出ることで、徒手で癒着を剥がすとか骨盤の歪みを、といった理論の不適切さに気づけなくなります。

skillsは常にknowledgeに依存しています。

 

技術や知識が治療成績と比例しない

このピラミッドを全てのセラピストに当てはめることで、ある特定の知識や技術が高かったところで治療成績が高いとは言えないことがわかります。

例えば、ストレッチがどれだけうまくできる人でもその作用機序(clinical knowledge)が低ければ臨床応用ができません。

その人なりの作用機序(clinical knowledge)があったとしてもfoundationが低ければ、その作用機序自体怪しいものになります。

セラピストは綺麗なピラミッドを作るように学習することを推奨します。