痛みの治療をするのであれば痛みを理解するのは前提になります。
そのための無料ツールとしてTEDがあります。
TEDは痛みについていくつかのコンテンツを提供しています。
その中で痛みとは何かについてシンプルにせつめするのがこの動画です。
目次
脳は痛みに対してどう反応するのか?(How does your brain respond to pain?)
具体的な内容については動画をご覧いただけたらと思います。
ここでは私がより重要だと思うポイントにフォーカスしていきます。
このコンテンツは素晴らしいものです。
ただみるだけに終わらないことを望みます。
それはあなたが痛みをどう扱うかによります
この動画では10分間の作業に対し痛みを与えるとどうなるか?について話しています。
痛みで気が散る人もいれば、作業に集中することで、痛みから気をそらそうとする人もいます。
もちろん、気が散るヒトは作業効率が落ちますし、集中する人は効率があがるでしょう。
これは人の痛みに対する反応の多様性を表しています。
痛みは体の状態を説明する一つの表現方法です。
表現された痛みは、今回のように体の外部(環境)と接触します。
今回でいえば気が散った人は、作業という環境と接すことで「気が散る」という心理的影響を受けています。
作業に集中できない人の方がより心理的に負の影響を受けていると推測できます。
もしかしたらより強い不快感を受けているかも知れませんし、痛みレベルも強く感じているかも知れません。
そして作業効率の差もあります。
痛みは作業という社会的側面にも影響しています。
このことから痛みは心理や社会、その人の行動とも常に作用関係にあることがわかります。
ここでいえば、痛みを利用して作業に集中するという行為は結果として負の要素を減らしています。
痛みレベルも下がっているかも知れません。
これは一種の痛みと向き合う手段です。
この様な痛みの捉え方は現在の痛み治療の基盤として存在し、BPSモデルと呼ばれています。

より詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
大脳皮質は痛み信号をどう処理するかを決定する
以前痛みのニューロタグ(またはニューロマトリクス)というものを紹介しました。

これは脳の処理の一形態と認識すべきかと思います。
痛み信号を受け取った脳は、そのまま痛みを引き起こすわけではありません。
- 痛みをおこすべきか?
- どの強さで起こすべきか?
- どんな感覚でおこすべきか?
そんなことを脳という会議室で即座に判断され痛みとしてアウトプットしています。
例えば先程、作業が痛みで効率が落ちる人の例がありましたが、その人でいえば
痛みとその作業、その時の感情、刺激、行動などはすべてタグ付けされます。
この人はこのタグに関連する状況では、タグ付けされた全ての要素が活性化されてしまいます。
だからこそ、同じ状況でタグ付けを変更するための行為が疼痛治療では必要になってきます。