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痛覚はインプット、痛みはアウトプット


疼痛治療をする上で痛みの理解は重要です。

古典的には痛みは損傷によって起こるように考えられており、数十年前までは心と体の問題で起こると考えられていました。

確かに急性疼痛のいくつか(捻挫など)は損傷の強さに比例して痛みを増強させることがありますが、よくある日常的な痛みは損傷の大きさと関連しません。

損傷(痛覚刺激)=痛みという間違った知識は、適切な痛み治療に対する機会損失を生み出します。

ここでは、痛覚と痛みの関係について書いていきます。

痛みはアウトプット

痛みというのは、体の状態のひとつの表現方法です。

例えば指を包丁できると、自由神経終末が発火し、求心性ニューロンを介して脳に痛み刺激を伝えます。

この侵害刺激を脳が痛みとして直接出すわけではありません。

脳は痛みのプリンターではないのです。

過去の経験やその時の状況、感情などを加味して痛みを表現します。

分かりやすい例では、火事場の馬鹿力ということばがある様に緊急性が高い場合は痛みを感じさせなくさせることがあります。

あるいは、よく遊んでいる子供はいつの間にか怪我をします。

高齢者はいつの間にか骨折します。

逆に痛みを増強させる例として

気付いたら痛くなったというのもよく聞きます。

損傷と関係ない例としては、かき氷を食べたら頭が痛くなった。

嫌な仕事が始まったら腰が痛くなった。

などあります。

痛みは常に痛覚を反映していません。

特にこれは持続性疼痛においては顕著です。

持続性疼痛の90-99%は病理学的な所見がみられません。

にも関わらず慢性疼痛治療でどこかが悪いと考えられていることがほとんどです。

大抵はどこも悪くありません。

ただ少し痛みの表現が変化しているだけです。

痛みを考える上で重要なのは

  • 痛覚痛み
  • 損傷の強さ痛みの強さ
  • 痛みは良いこと(体を守るため)
  • 痛みはたまに過剰表現してしまう

です。

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