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腰痛の分類【徒手療法や運動療法の臨床分類】


臨床においてまず腰痛は3つに分類されるべきです。

腰痛の分類

それは侵害受容性腰痛、神経因性腰痛、中枢感作性腰痛です。
この分類で困るのは、変形性腰椎症や椎間板変性です。

これらはMRIで見つけたとしても腰痛と関連するかの判断が付き辛いです。
そのためこれらの所見を見つけたとしても侵害受容性疼痛と分類出来ません。

中枢感作についてはまだまだ徒手療法や運動療法の業界では広まってないようにも思えるので定義を紹介します。

中枢感作は
「痛覚過敏を誘発する中枢神経系内の神経シグナル伝達の増幅」
“an amplification of neural signaling within the central nervous system that elicits pain hypersensitivity”
または
「正常または閾値以下の求心性入力に対する中枢神経系の侵害受容性ニューロンの反応性亢進」
“increased responsiveness of nociceptive neurons in the central nervous system to their normal or subthreshold afferent input”

または
「単峰性および多峰性受容体からの入力に対する中枢神経の反応性の増大」

an augmentation of responsiveness of central neurons to input from unimodal and polymodal receptors

として定義されています。

これらは別々の表現をしていますが、簡単にいえば中枢神経系(central nervous system)、つまり中枢性過剰興奮性(central hyperexcitability)の刺激に対する増大を意味しています。

現在ではある程度のレベルでこれら3つに分類する方法があります。

神経因性と中枢感作の鑑別

慢性の腰部神経根症は神経因性腰痛に分類され腰痛患者の20-35%が罹患しています。
さらにこの神経因性腰痛の患者は通常の侵害受容性腰痛よりも疼痛や不安、抑うつのレベルが高くQOLも低下しています。

神経因性の腰痛では病変を見極めることができ、さらに疼痛が神経学的にもっともらしい(neuroanatomically plausible)分布に限定されていることが条件となります。
神経様の症状が出ていたとしても症状がびまん性だったり広範囲に出ている場合は感作のほうに属され神経因性疼痛(neuropathic pain)に分類することは出来ません。
このような病変がなくびまん性である疼痛は中枢感作性疼痛の特徴の一つです。

そのためまず放散痛のような症状が出ていた場合は中枢感作性と判断するために神経症状であるかの見極めができる必要があります。

例えばそれらは腸骨稜でL1-2背側枝の神経絞扼障害であるかもしれないし、単純な神経根の炎症であるかもしれません。

さらに神経因性と中枢神経性を見極めるには感覚機能障害を観察することが重要となります。中枢神経性の腰痛の場合は非分節的に感覚障害が発生します。
デルマトームやミオトーム、スクレロトームといった分節はそのために覚えておく必要があります。
デルマトームなどの分節は障害の神経根に一致しないケースはよくみかけます。その場合は中枢感作性を疑うべきです。

ここで一度神経因性疼痛か中枢感作性疼痛かのスクリーニング検査をまとめます。

1,神経系の病変または疾患の病歴があるか?
2,併存疾患がある時、神経因性疼痛と関連しているか?
3,痛みの分布は神経学的に論理的であるか?
4,感覚機能障害は神経学的に論理的であるか?
5,痛みは焼けるような痛み、チクチク(sooting/pricking)する痛みであるか?

侵害受容性と中枢感作性の鑑別

次に侵害受容性疼痛と中枢感作性疼痛の鑑別について述べます。

侵害受容性疼痛は増悪因子や寛解因子に比例した機械的解剖学的性質を持ちます。また特定の組織のテストによる疼痛誘発で一貫して比例した機械的解剖学的パターンを持ちます。

つまり増悪因子や寛解因子が予測不能なパターンであったり、検査において一貫性のない非機械的、非解剖学的パターンであれば中枢感作性疼痛の可能性が高いです。

まとめ

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