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膝のクリック音などのノイズの種類【パキパキ?】


膝のクリック音については一度見直しておく必要があるだろう。

実際患者さんから膝のクリックについて聞かれることは多い。

まずは不安を取り除くことから始めるべきだな、そのためにもこのノイズについて知っておく必要がある。

特にここでは生理学的ノイズについてまとめる。

膝のノイズ

膝周りのノイズはスクワット(しゃがみ)動作でよく聞かれる。

基本的にはこのノイズは気にするようなものではない。

膝のノイズでの有病率のsystematic reportsはほとんどないとのこと。

40歳以上の人を対象にした研究では女性の38.1%、男性では17.1%でノイズが報告されている。

病理学的なノイズでいうと内側半月後根損傷では96.5%にポッピングを起こしている。

膝のノイズは様々な音で表現される。

  • ポッピング(popping
  • スナップ(Snapping)
  • キャッチ(Catching)
  • クリック(clicking)
  • クランチ(Crunching)
  • クラッキング(Cracking)
  • クラックリング(crackling)
  • クレーキング(creaking)
  • グライディング(grinding)
  • グレイティング(grating)
  • クランキング(clunking)
  • など。

しかしこのサウンドの性質を正確に説明することはできない。

いくつか説明していく。

「ポッピング(popping)」は急激な破裂と知覚される音の表現として使われる。このポッピングは内側半月板が裂けたり、十字靭帯や側副靭帯の剥離で起こる。

「クランキング(clunking)」は抵抗から解放されるときに生じるノイズに対して使われる。

人工膝関節形成術(TKATotal knee Arthroplasty)後の膝蓋大腿クランキング(patellofemoral clunking)は膝伸展時にパテラ上極と大腿四頭筋腱遠位にある線維性の結節(fibrotic nodule)が大腿骨のintercondylar boxにエントラップメントして生じる(Patellar clunk syndrome

「クリック(clicking)」は膝の屈曲伸展の1サイクルに発生する小さいノイズのこと。

一般的には半月板の損傷に関連付けられている。

「グライディング(grinding)とグレイディング(grading)」は連続的な引っ掻き音(scrathing noise)を説明するのに使われる。

グライディングやグレイディングは膝OAや膝蓋大腿症候群でよく見られる。

臨床的に考えるのであれば生理学的なノイズと病理学的なノイズを区別する必要がある。

最適な方法は膝の痛みと腫脹(Swelling/Effusion)をチェックすること。

病理学的なノイズは急性と慢性に分けられるが、急性では損傷を引き起こしている可能性があるため注意が必要とやる。

生理学的ノイズの原因は様々ある。

生理学的要因のノイズ(Physiological sources of noise)

●Burst of tiny bubble in the synovial fluid

つまり滑液の中の小さい泡が破裂したことにより発生する。

●Snapping of ligaments

靭帯のスナップ。

●Hypermobile meniscus or discoid meniscus

Meniscusというのは半月板のこと。

Discoid meniscusは円板状半月板のこと。つまり半月板または円板状半月板の過剰可動性(hypermobile)となる。

●After surgeries

術後。

次に病理学的要因のノイズをまとめる。(Pathological sources of noise

●Degenerative changes including osteophytes,cartilage and meniscal injury

Degenerative changesは退行性変性のこと。骨棘(osteophytes)、軟骨(cartilage)、半月板損傷(meniscal injury)に伴う退行性変性。

●Pathologic plica

病理学的なプリカ、プリカ(plica)は滑膜ひだのこと。プリカ症候群(棚障害など)でも膝からノイズが聞かれる。

●Patellofemoral instabilty

膝蓋大腿不安定症のこと。

●Pathologic snapping knee syndromes

上記もした病理学的なスナッピングニー症候群。

●Postoperative pathologic noise,especially after total knee arthroplasties

これも上記しているが、TKA(人工膝関節形成術:total knee arthroplasties)後のこと。

ノイズの仮説はいくつか提案されてはいるものの基本的メカニズムは分かっていない。

キャビテーション(圧力差で液体の中に気泡ができること)で生じた気泡の破裂はノイズの原因と示唆されている。一方でクラッキングのメカニズムは気泡の破裂ではなく、気泡の形成であるとも報告されている。これはMRIで直接確認されている。

これは膝以外でもよく起こり、特に指の関節でみられる。

膝周囲の靭帯や腱は骨上を通り過ぎる時にカチっという音を引き起こす。スナッピング症候群は通常大腿二頭筋腱で引き起こされる。

他の要因も生理学的なノイズを引き起こす可能性がある。

たとえば、infrapatellar plica(和名はあるのだろうか?)を持つ患者の72%にポッピングまたはスナッピングがみられる。

一応infrapatellar plicaは少々マイナーな組織なのでイメージを載せておく。

infrapatellar plica(下図の黒矢印)のplicaは滑膜ひだのこと。

膝プリカ

この画像は

MR Image of infrapatellar Plica Injuryから引用した。

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