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運動療法で痛みは無視しても良い【運動療法の原則】


運動療法はフィットネスジムなどでやるようなエクササイズと原則が変わってくる。

より適切な表現をすると、運動療法の原則は大して作られていない。

ただ、痛みに関して言えばある程度運動療法の原則はある。

痛みは無視しても良い

無視というと冷徹な印象を受けるかも知れないが、治療を考えるなら着眼点を痛みから一時的に外すことも覚える方が良い。

トレーニング時に痛みを誘発するのなら、まるでその動作で損傷を誘発するように感じる。

但しそれは健康体に関しての話だ。

これは痛みの定義を知らなければ理解出来ないかもしれない。

現在のIASP(国際疼痛学会)による痛みの定義は

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage,or described in terms of such damage.

となっている。

和訳すると、

実際のまたは潜在的な組織損傷に関連する、またはそのような損傷の観点から説明される不快な感覚的および感情的経験。

となる。

重要なのは、「潜在的な組織損傷」で、つまりある動作で痛みを引き起こそうが、それが再損傷によって引き起こされている訳ではない。

動作によって再損傷していないのであれば、その動作は不適切とは言えないため、この様な痛みは臨床において、無視することができる。

実際臨床において患者さんにその痛みは無視しても良いといっても納得されないかも知れない。

そういう意味では痛みを引き起こさないリグレッションを用意すべきだろう。

このような説明をする際、

個人的な臨床経験に基づくのなら、パブロフの犬の話をすると納得されやすいように思う。

パブロフの犬を知らない人はめったに居ないだろう。

一応復習しておくと、

犬にご飯を食べさせる前、ベルの音を聞かせる。それを何度も繰り返していると、犬はベルがなるとご飯が食べれると思い込むので、ベルが鳴るだけでヨダレが出るようになる。

これがパブロフの犬で専門用語では古典的条件付けと呼ばれる。

運動療法では正確には古典的条件付けではなく、オペラント条件付けという現象を用いる。

古典的条件付けは受動的、つまり自分の行為ではなけ、周りの環境によって、条件付けされることをいうが、オペラント条件付けは能動的、つまり自分の行動によって条件付けされることをいう。

痛みは自分の認知しだいで強さが変わるのだから、実際動いてみたら動けたという成功体験を何度も受けた方が良い。

動けるはずなのに、痛みを怖がれば、いずれ後遺症としてキネシオフォビア(運動恐怖症)を発症するリスクもある。

動かなければ体の機能はどんどん落ちていく。

機能が落ちるのは運動療法の目的上避けたい。

最近ではこれを利用してVR(virtual reality)を用いた治療もある。

VRで歩いている映像を見せることで疼痛を抑えるというものだ。

研究数は少ないが今のところポジティブな成果をあげている。

患者さんに気を使いすぎて、動作時中痛みを引き起こしたらその動作をやめてしまう人がいるが、実際はその動作を繰り返すだけで痛みが無くなることは珍しくない。

そうなると痛みを緩和するチャンスを見逃したことにもなる。

以上の点から

痛みはある程度無視しても構わないのだ。

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