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joint by joint theoryの解説と問題点

joint by joint theory

トレーニングを決める理論には「joint  by joint theory」がある。

世界的にメジャーな理論であるため、知らないトレーナーはほとんどいないだろう。

ここではjoint  by joint 理論が臨床的な意義を持つか考察する。

joint by joint theoryとは?

joint by joint theory

joint by joint theoryは関節に着目したトレーニング理論で、最も大きな強みはそのシンプルさだ。

聞くだけでなんとなく理解でき、臨床応用も容易い。

joint by joint  theoryでは関節を2種類に分ける。

☑︎mobility joint(可動性関節)

☑︎stability joint(安定性関節)

mobility jointは文字通りmobile(可動)を得意とする関節で、stability jointもまた文字通りstable(安定)を得意とする関節とされる。

一見すると、mobility joint stability joint を全て覚えるのは難儀しそうに思えるが、これらには法則がある。

法則:mobility jointstability jointは交互に並ぶ

具体的にみていこう。

1中足趾節間関節(1stMTPjt)

母趾の背屈可動域は大きい。

足の中でも可動性が重要となることからmobility jointに分類される。

日常生活を正常に送るには母趾の70°の背屈が必要とされる。

この背屈可動域を有していない例は臨床においてよく見られる。

機能評価をする際は4種類の母趾の背屈検査ができる。

☑︎立位でのpassiveROM

☑︎立位でのactiveROM

☑︎座位でのpassiveROM

☑︎座位でのactiveROM

passiveは他動運動、activeは自動運動

臨床に出たてのセラピストではROMは組織によって制限されると決めつけてしまうことが往々にあるので注意したい。

ROMに関してはストレッチの記事に記載する。

日常生活においては特に立位(歩行時など)の母趾背屈可動域が必要とされる事が多い。

また、歩行時や片膝立ちの時に必要とされる母趾背屈可動域はpassiveな可動域であるため、大抵の場合重要なのは立位でのpassiveROMだろう。

ただし、全て検査するまでは状態が判断できない為、結局全て検査することになる。

評価になれてくると評価の簡略化、省略が見られるようになる。

しかしこれは、臨床2年目以降によくあるミスで、評価を簡略化や省略すると結果的に解から遠ざかることがある。

その為、検査に慣れてきても全て検査する習慣が必要となる。

ここでは簡単に各ROM検査の違いに触れておく。

まず、立位と座位で母趾のROMには重力の影響を考慮する必要がある。

立位では足底全体に体重がかかり、3つのアーチは潰れ、伸張される。

上位関節からの影響もより受けやすい。

一方で座位では足底に圧がかからない。

つまり座位では可動域が十分でも立位で可動域が制限されたのであれば、重力に抵抗する何らかの機能に異常があると考えられる。

座位でも立位でも制限があれば、抗重力機能以外の要因による可動域制限となる。

そしてpassiveactiveの違いは運動機能を使うかどうかにある。

passiveは運動機能を使わず、activeは使う為、passiveで制限なく、activeで可動域制限があれば運動機能に異常が見られる。

どちらも制限があれば、運動機能以外を考えることができる。

足底

母趾球、小趾球、踵が作り出す支持基底面と、この3点をつなぐ3つのアーチ、つまり内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチは全てまとめてstability jointに分類される。

これらの構造は大きな可動性を持たないが、特に抗重力での安定性に強く関与する。

転倒しないための戦略の一つ、アンクルストラテジー(ankle strategy)

の一部でもある。

足底の機能不全は第1中足趾節関節や足関節に直接影響を与える。

もし第1中足趾節関節や足関節に可動域制限がみられるのであれば、足底の機能検査が必須になる。

足底の検査では内側縦アーチの高さの検査が最も一般的に用いられる。

しかし注意したいのは多くのアーチの検査が静的に行われていることだろう。

アーチが潰れていようがハイアーチだろうが機能が正常であれば問題はないかもしれない。

そのため、アーチの高さだけ測って機能不全と決めつけることはできない。

マーチングやランディングなどの動的な検査でアーチの機能を測る必要がある。

内側縦アーチの機能不全にはインソールがしばしば用いられる。

しかし内側縦アーチを持つ人がアーチを上げるインソールを履くと、舟状骨部に痛みを訴えることがある。

また、インソールは足底を地面につけた時にしか作用しない。歩行で言えば足底全体が地面につくミッドスタンス以外ではインソールは役に立たないことに注意する必要がある。

横アーチはよく検査を飛ばされる構造体である。

内側縦アーチと同等かそれ以上のに重要と考えられるのが横アーチではあるものの、恐らく内側縦アーチほどの知名度がなかったり立位で見えないことから検査を疎かにされる傾向にある。

横アーチは中足骨頭の位置にあるが、実際は楔状骨の影響を大きく受けるため、楔状骨が作り出すアーチの形状を確認するのが大切となる。

特に中間楔状骨はアーチの最高点にあるため、足底側から触診できる場合は落ち込んでいる可能性がある。

横アーチが機能していない場合、母趾球と小趾球の間に胼胝が出来やすい。

これらの指標を元に横アーチの機能を検査していく。

外側縦アーチの臨床上の検査は難しいが外側荷重であれば外側縦アーチが潰されてしまう。その場合足底外側の皮膚が分厚くなる。

外側荷重では、足底外側、腓骨筋群、ITB、中臀筋、大腿筋膜張筋に緊張が生じやすい。

その為大腿部のlateral lineに痛みがあるときは外側縦アーチをみる必要がある。

足底はアーチによる衝撃吸収やバネのような反発力を生み出す他にロッカーファンクショナルと呼ばれる機能も持つ。

ロッカーはロッキングチェアから来ており、転がり運動を作り出す機能のことをいう。

踵の転がり運動をヒールロッカーという。

踵は球体に似た形状であるため、転がり運動ができる。

歩行において踵が地面に接触した時、その力は股関節前面に伝わり、股関節は屈曲しようとするが、股関節伸筋群(特に大殿筋)の作用で重心の前方への推進力へ変えることができる。

この様に足底は隣接する構造のみならず、常に他関節へも影響する。

ヒールロッカーの次の転がり運動は足関節部のアンクルロッカーと呼ばれる機能で、足底を固定した状態で下腿が転がり運動をする。

この時、重心を高くする必要がある為、大腿四頭筋や大殿筋が膝伸展筋としてよく働く。

大殿筋は股関節筋だが、立位においては膝の伸展筋として働くことを忘れてはならない。

次に紹介する関節は足関節だがこの様に踵と違い、mobility jointである足関節のロッカーファンクショナルは関節の可動性によってなされる。

ロッカーファンクションの最後はファアフットロッカーと呼ばれ、MTP関節(中足骨頭)で行われる。

足趾に対し、中足骨が転がり運動を起こす。

やはり前述した通り、MTP関節の可動性は重要と言える。

足底部はこの様な3つのロッカーファンクションによって綺麗な歩行を作り出している。

足関節

足関節はその可動性の高さからmobility jointに分類される。

機能的な足関節の持ち主であれば、綺麗な円運動を足関節で描くことができる。

どこかで可動域制限があれば、円運動中にカクカクした動きが見られる。

または代償的に足趾が円運動を起こすことがある。

この代償動作が出た場合は足趾を全く動かさないように指示して再度足関節の円運動をしてもらうと、足関節の機能を評価できる。

足関節はmobilityが高い分、捻挫のリスクが高い。

スポーツ外傷ではよくみられ、再発のリスクも高い。

単に可動性だけでみれば、日常生活で最も使う動きは底屈背屈だ。

特に背屈は可動域制限が出やすく、joint by joint theoryにおいて背屈制限は代償動作のリスク因子として認識されることが多い。

背屈の制限因子はエンドフィールから予測できる。

固いエンドフィールであれば、骨性の制限。柔らかいエンドフィールであれば結合組織の制限となる。

また、検査をされている側のエンドフィールも重要で、下腿後面が伸張を感じれば結合組織の制限。足関節前面に感じれば骨性の制限となる。

骨性の制限であっても骨棘が原因でなければ、徒手的に、あるいはテーピングを用いてエンドフィールを一時的に変化させることもできる。

足関節はmobility jointでありながら、その安定性が問題になることがよくある。

足関節は内反に対しては構造的に弱い。

そのため、内反捻挫を引き起こし易く、捻挫後はさらに足関節不安定症を呈し安定性が低下する。

単に足関節のみの怪我のリスク因子としてはmobilityよりも内反に対するstabilityの方が重要かも知れない。

足関節に対するトレーニングもスタビリティランディングやバランスディスクを使ったようなstability系のトレーニングの方が知名度が高い。

足関節は底屈位の方がmobilityが高くstabilityが低い。

その為、底屈位の方が捻挫しやすいと考えられるが、実際はスポーツによって底屈位と背屈位に内反捻挫の頻度の差はないことがある。

それはヒトの行動において底屈位を取るケースが多くないからだ。

大抵立位では足関節は中間位から背屈位にある。

そのため、底屈位に対して捻挫するよりは底屈位と背屈位両方に分けて予防を考えるべきだろう。

足関節のmobility制限は特に膝に影響を与えやすい。

例えば立位の足関節背屈制限は膝の伸展を促す。膝の伸展は腰部の伸展を生み出すため結果として足の制限は全身に影響を及ぼし得る。

膝関節

膝関節はstability jointに分類される。

屈曲を除けば膝の可動域はほとんどない。

側屈の様な冠状面上の動き、回旋ような水平面上の動きは主に靭帯によって制限を受ける。屈曲伸展のような矢状面上の動きは関節包で制限を受ける。

膝はこの様に静的な安定化機構によりstabilityを得ている。

日常生活では強固な安定性を作るが、スポーツではしばしば損傷し、長いリハビリ生活や将来の変形に繋がる。

膝といえばknee-in toe-out(KITO)やknee-out toe-in(KOTI)がよく評価されている。

KITOにしてもKOTIにしても股関節や足部の影響を強く受けるため、この場合は股関節や足部へのアプローチが必須となることが多い。

膝関節の屈曲伸展運動にはスクリューホームムーブメント(screw home movement:SHM)が欠かせない。

SHMは膝伸展時の下腿の外旋のことをいう。

これは構造に由来する運動ではあるが、臨床において膝関節機能を測る時にチェックしておきたい運動でもある。

膝蓋大腿関節は可動域制限を受けやすい。(膝蓋骨トラッキング不全症候群)

パテラは周りに沢山の結合組織で囲まれている。完全伸展位ではパテラは十分かな可動性を持つ必要があるが、膝への負荷が強い場合は何らかの組織が肥厚や脱水を起こし、パテラに可動域制限を起こす。

特に膝蓋下脂肪体はパテラと密接に関わるため、膝蓋下脂肪体の評価も忘れてはならない。

反対にパテラが過剰に可動するケースも見られる。

検査としては、膝10°屈曲位でパテラが1cm以上他動的に可動すれば過剰可動性となり、不安定症を疑う必要がある。

股関節

股関節はmobility jointに分類されるが、股関節と肩甲胸郭関節は例外的にmobility joint でありstability jointの要素も強く持つことから、mo-stability jointと言われる。

股関節の可動性は個人差が大きく、年齢と共に顕著に可動域が落ち始める。

また、パワーの源は股関節にあると考えられることもあるため、股関節にフォーカスしたアプローチは多い。

股関節は多くの強固な靭帯と、大小様々な筋群が覆っているため股関節の可動域検査で、可動域制限の組織を特定することはできない。

例えば股関節の屈曲制限で大臀筋の伸張性を疑われる事があるが、最近では大臀筋はストレッチできないのではないかと疑われている。

誤診を生みかねないため、あくまで股関節の可動域制限は、この動作が制限を受けている程度にしておくべきだろう。

股関節は転倒しないためのスタビライザーとしての役割を持つ。

足部のankle strategyに対して、股関節はhip strategyと呼ばれる。

高齢になるとankle strategyの機能が落ちるため、hip strategyに依存する傾向がみられる。

そうなると股関節の可動域制限もみられるが、この場合は足部へのアプローチが必要になる。

腰部

仙腸関節や腰椎間関節をまとめてstability jointとされる。

実際、仙腸関節や腰椎間関節はmobilityが低い。

にも関わらず腰部に対してのストレッチはよくみられるので注意が必要となる。

昨今では体幹がよく着目される傾向にある。

joint by joint theoryではmobility first、つまり安定性より可動性を先にアプローチするのが原則だが、core stability trainingの原則ではcore firstでアプローチされる。

但し、最近では体幹トレーニングに大した効果がないことが分かったため、core stabilityは後回しにされるようになってきた。

ここでは腰部に対してstabilityといっているが腹部も忘れてはならない。

例えば腹直筋は腰部回旋のエンドレンジで過剰回旋を防ぐ作用を持つ。

勿論腹斜筋群や白線もstabilityに関与する。

産後に腹直筋離開を起こしたヒトは腹直筋の作用が著しく落ちる。

corestabilityの検査ではよく、

Abdominal drawing-in test

Back extensor test

Lateral musculature test

Flexor endurance test

Prone bridge test

Supine bridge test

が用いられる。

胸椎部

胸椎は各関節の可動域は高くないものの胸椎全体の可動域は大きいためmobility jointに分類される。

胸椎は肋骨と連結しているため肋骨の可動域制限も直接胸椎の制限に関与する。

胸椎のmobilityはよくフォーカスされるため、thoracic rotationなど可動域改善のためのエクササイズは多数存在する。

股関節同様にjoint by joint theoryでは胸椎の可動域制限が腰痛の原因として考えられることが多い。

Core stabilityではしばしば胸部の安定性は無視されることがあるが、Core stabilityの概念では胸部もcoreに含めることがある。

胸椎部は特に呼吸とも密接に関連する。

呼吸は胸部の可動性を生み出し、同時に呼吸機能障害は胸部の可動域を制限する。

この場合は呼吸のトレーニングで胸椎の可動性が回復する。

また胸椎部は肩との連動性も高い。

肩甲胸郭関節はもちろん構成要素として関与しているし、肩関節の動作時にも胸椎部(特に肋骨)は可動する。

そのため肋骨の可動性を向上させると肩関節の可動域が上昇する。

下位頚椎

頚椎の中でも下位頚椎はstability jointに分類される。

頚椎の可動域検査では頚椎全体を検査されることが多いがjoint by joint theoryでは上位下位を分けているため下位頚椎の可動域を検査できる必要がある。

また下位頚椎の可動域を検査する際は胸椎の可動性の関与も考慮に入れる必要がある。

上位頚椎

上位頚椎はmobility jointに分類される。

特に回旋可動域は大きい。

頚椎全体の可動域検査をするとき一見正常にみえても下位頚椎の動作を上位頚椎が代償しているケースがしばしばみられる。

上位頚椎は特にデスクワーカーでは過伸展傾向にある。

上位頚椎は主要な神経が通過するため、よく上位頚椎の障害は頭痛や肩コリの原因にされる。

Joint by joint theoryでは顎関節に着目することは基本的にないが、上位頚椎は顎関節とも密接に関わる。

上位頚椎の変位は顎関節の変位に影響する。また、顎関節の変位は上位頚椎の変位に影響する。

肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節はstability jointに分類されるが、可動性も大きいため股関節同様mo-stability jointともいわれる。

可動性の検査も安定性の検査もあるため肩甲胸郭関節の検査は多数ある。

昨今ではいわゆる肩甲骨はがしと言われるような可動性ばかり着目される傾向にあるが、もともとstability jointである肩甲胸郭関節はstabilityを忘れるべきではない。

肩関節

肩関節はその可動性の高さからmobility jointに分類される。

肩関節のstabilityは関節の中でも低く、生まれつき弱い(ルーズショルダー)ケースはよくみられ、後天的に脱臼で弱くなるケースも有る。

肩関節は5つまたは6つの関節によって構成されていることを忘れてはならない。

また肩関節の可動域検査で留意したいのは、上腕骨の回旋角度や肢位で可動域に変化がみられることだ。

可動域検査をするときは、肢位を厳しくみる必要がある。

肩関節の可動性は肩甲胸郭関節や胸部、core stabilityに依存しているため肩関節の評価時はこれらすべての検査は欠かせない。

肘関節

肘関節は膝関節同様、屈曲以外は大きな可動域を持たないためstability jointに分類される。

肘の障害もまた膝関節同様に隣接する関節の影響を大きく受ける。

野球選手はよく肘関節を負傷するが肩関節や股関節のmobility制限の影響によるものとされることがある。

しばしば足の機能障害が代償性に肘の障害を生むとも考えられることもある。

カイロプラクティックなどの関節の副運動を重視する学派では肘自体に原因を求めることもある。

手関節

手関節はmobility jointに分類される。

具体的には橈尺関節、橈骨手根関節、尺骨円盤三角骨関節、手根中央関節はmobility jointに分類される。

手関節の動作にはぶん回し、屈曲伸展、橈屈尺屈、回内回外があるが、手関節のどの関節が主にどの動作を担っているかは常に考慮すべき項目といえる。

手根部

手関節と重なるところもあるが、手根部はstability jointに分類される。

特に手掌部のアーチ構造は重要で、プッシュアップの際にマルユースとして外側荷重がよくみられる。

基本的なjoint by jointの考え方

Joint by joint theoryでは代償動作(trick motion)が考え方の根底にある。

Stability jointの安定性が欠如すると隣接するmobility jointが安定性を代償し、mobility jointの可動性が減少する。

反対にmobility jointの可動性が減少すると隣接するstability jointの可動性が代償し、stability jointの安定性が低下する。

この代償動作は隣接する関節に及びやすいというだけでどの関節に対しても代償動作を起こしうる。

この代償関係を修正する際はmobility first,つまり可動性から先に修正する。

例えば

腰を損傷した場合、coreの安定性だけでなく、股関節のmobilityが減少していればそれが原因でcoremobilityを代償し、損傷に至ると考えることができるため股関節のmobility

から先に修正する。

例えばゴルフで肘を痛めたとき、肘の安定性だけでなく、肩関節の可動性やスイングに関わる股関節のmobilityを検査し、可動性減少があれば肩や股関節の可動性から先に修正する。

ではこのjoint by joint theoryが臨床的意義を持つのか論考していく。

Joint by joint theoryでは全てが説明出来てしまう。

Joint by joint theoryは理論がシンプルなため、体のどんな機能障害も説明しうる。

これは理論が完璧だからどんな機能障害も説明しうるわけではない。

ヒトは全身のどこかの部位に可動域制限や安定性の低下がみられる。

しかしながらこの可動域制限や安定性の低下が実際どこまで怪我に影響するかは測れない。

可動域が低かろうが怪我をしないヒトはいくらでもいる。

一見すると可動域が低下して、他の組織が代償すると考えるともっともらしく感じてしまうため正しく思えるが実際は論理が破綻している。

具体的には第三の要素と言われる要因を排除しているため論理が破綻しているといえる。

例えば腰を痛めた際に股関節の可動域制限があったとしても、それ以外に腰を痛める要因はあるのかもしれない。

すべての関節を検査して股関節の制限だけあったとしても他にも考えられる要因はあるだろう。

関節主義になっている

Joint by joint theoryは関節にフォーカスした理論であるため、見方が限定的すぎる。

すべての動作はすべての関節の連携によって生み出されている。Joint by joint theoryではその連携破綻の要因をどこかの関節に言及しようとしているが実際どこかの関節の影響で動作の連携が破綻しているかはわからない。

最近では運動制御(motor control)や動作(movement)といった概念がよく着目しているように動作は構造が生み出しているわけではなく、構造はありきだが、神経系が動作を生み出しているのだ。

Joint by joint theoryの概念ではこの神経系の考えが弱い。

例えばスクワットが目的通りできない場合構造主義者はどこの組織の制限によってできないと考えるが実際はスクワットをするヒトがスクワットをする感覚を掴んでいないだけかもしれない。

そのためまずjoint by joint theoryから考えるのは余計な改善すべき部位を生み出してしまうため危うい。

医学が生み出す障害

可動域制限や、安定性の低下が障害のリスクになるかどうかはわかっていない。

文化的にあるいは机上の空論的に可動域制限=体にわるいことという認識になっている。

特に健康意識が高いヒトは自身の可動域制限や姿勢の悪さといったものを過度に意識するあまり余計なストレスや運動を生み出す。

これはjoint by joint theoryに限った話ではないが、joint by joint theoryはその一端を担っている。

joint by jointは臨床的意義を持つか?

これらの問題を抱えた上で臨床でjoint by joint theoryを使う意味はあるのだろうか?

joint by joint theoryで生み出された問題は解決する必要がないかもしれないし、問題とするべきでないものかも知れない。

ヒトはシンプルな理論を真実だと錯覚しやすい性質を持つため、joint by jointがここまで浸透するようになったのだろう。

 

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