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椎間板の機能解剖学【髄核・繊維輪・軟骨終板】

椎間板

椎間板(Intervertebral discs:IVDs)は脊柱の脊椎と脊椎の間にある線維軟骨のパッドである。

IVDsは脊柱を曲げたり捻ることを可能にし、隣接する椎体に圧縮荷重を分散させる役割を持つ。

椎間板の機械的性質は、腰椎IVDsをしばしば物理的に破壊し、変成させ慢性腰痛を生じる可能性があるため重要。

たまに椎間板ヘルニアは腰痛を必ずしも引き起こさない情報を聞き、ヘルニアが腰痛と無関係と勘違いしている人がいるので注意。

IVDsの正確な機械的特性を知ることは、損傷メカニズムを分析し、老化と変性がどのように椎間板の構成組織の材料特性を劣化させ、損傷に対する脆弱性を増加させるかを理解するために必要となる。

椎間板の機能解剖学

脊柱のモーションセグメントは、2つの椎骨と1つのIVDsで構成される。

椎間板

Biomechanics of the human intervertebral disc: A review of testing techniques and resultsより引用

IVDs3つの主要な構成要素をもつ。

中心には柔らかく変形可能な髄核(nucleus pulposus:NP)があり、線維輪(anulus fibrosus:AF)により囲まれ、軟骨終板(cartilaginous end plates:CEPs)の薄い層により隣接する椎体(vertebral bodies:VBs)の上下に結合する。

腰椎IVDsは人体最大の無血管器官である。

髄核の機能解剖学

NPはゼラチン様構造で、成人椎間板の体積の40~50%、横断面面積の25~50%を占める。

NPは、圧縮荷重が増加するに応じて静水圧を示すほど高い含水率を有す。

この圧力は、周囲のAFに張力を発生させる。

この機構により安定性を高めている。

主成分はプロテオグリカンとコラーゲンそして水で構成される。

プロテオグリカンはNPの乾燥重量の35~65%を占め

水の結合に重要となる。

II型コラーゲン細線維は乾燥重量の5~20%を占め、ゆるやかな三次元線維網を形成して核をまとめている。

NPの乾燥重量の残りは、非コラーゲン性タンパク質およびエラスチン。

NPの水分含有量は年齢とともに減少し、1~80歳では約90~70%減少するがこれはプロテオグリカンの同様の減少を反映している。

健康な腰椎IVDsにおいて、髄核内のin vivo圧力は、座位で460kPa-1330kPa、立位で500kPa-870kPa、腹臥位または仰臥位では91kPa-539kPa

20kgの重りを持って前屈した立位被験者で,核の最高圧力(2300kPa)を記録されている。

繊維輪の機能解剖学

繊維輪(Anulus fibrosus:AF)は、約0.05~0.5 mmの厚さの層板で、15~25層の同心円状の層で構成される。

椎間板の機能解剖学

Biomechanics of the human intervertebral disc: A review of testing techniques and resultsより引用

この層は外側から内側に向かって厚みが増している。

層板の約48%は円周方向に不完全であり、不完全な層の割合は年齢とともに増加する。

各層は、腱と同様に粗く強いコラーゲンI型線維束からなる。

その向きは横断面に対して±25°~45°の間で交互に並んでいる。

回旋に弱いのはこのため。

傾斜角は円盤の中心に向かうにつれ増加する。

AFではコラーゲン線維が複雑に配列しているため、核内の圧力に起因する引張り(tensile)応力、フープ(hoop)応力、または円周(circumferential)応力を発生させることができる。

健康なIVDsAF65~70%の水分を含む。

乾燥重量は約20%がプロテオグリカン、50~70%がコラーゲン、2%がエラスチンで構成される。

外側AFから内側AFへ移動すると,プロテオグリカン、水およびコラーゲンII型含量は増加するが、コラーゲンI型含量は減少する。

機械的には、I型コラーゲンは腱のように張力に強さを与える。

II型コラーゲンはプロテオグリカンや水と結合する微細な網目構造を形成するため、組織は大きな圧縮力に耐えることができる。

AFにおけるエラスチンは隣接する層の間に集中し、大きな変形後の弾性的な反跳を助ける。

軟骨終板の機能解剖学

軟骨終板(CEP)は硝子軟骨の薄い層であり、隣接する骨終板(bony endplates:BEPs)の下方および上方で椎間板に結合する。

CEPは大体0.6 mmの厚さであるが、それらがNPと接触する中心に向かってより薄い。

厚さは年齢とともに減少する。

横断面の大きさは隣接する椎体の大きさを反映している。頸椎の前後方向の長さは16~19mm。横方向の幅は17~29mmから増大し、腰椎の前後方向の長さは30~36mm、横方向の幅は43~54mmまで増大する。

CEPは約60%の水を含み、主な乾燥重量成分はII型コラーゲンおよびプロテオグリカンである。

椎間板周辺部付近では、コラーゲン含量が高く、プロテオグリカン含量が低い。

CEPの三次元II型コラーゲンネットワークは腫脹を防ぎ、比較的安定した組織は、栄養分を椎体から椎間板に拡散させながら、加圧されたNPからの水の排出速度を減少させることができる。

圧縮荷重下では、CEPおよびBEPNPが圧迫すると、CEPおよびBEPVBの中に1mmまで膨らむことがある。

この膨隆はNPが利用できる容積を増加させ、それによって核内の圧力を低下させ、圧縮荷重をNPからAFに移動させる。

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