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縫工筋のMMTと機能解剖、痛みの発生機序もまとめる【支配神経・栄養動脈】


縫工筋のMMT

すべてのMMTにいえることだが、筋を単独で検査する事はできない。縫工筋のMMTも同様で、特に縫工筋ドミナント(優位)で検査しているに過ぎないことに注意して欲しい。

臨床的には他の縫工筋と同様の作用を持つ筋のMMTを行って、その差から縫工筋の筋力を判定するほうが望ましい。

例えば縫工筋のMMTでは股関節を外旋するため、股関節外旋筋群も同時に収縮する。この場合は他の外旋筋群のMMTも行うことで外旋筋の関与を除外していく。

患者は仰臥位で、膝関節を屈曲、股関節を屈曲外旋位を取る。

縫工筋mmt

この時、患者の下腿は地面から浮き、地面と並行になるまで股関節を屈曲するほうが望ましい。

股関節の屈曲が弱いと深層外旋六筋がより優位に働きやすくなる。

検者は大腿部の遠位外側に股関節伸展・内転・内旋方向に圧を加える。

ここから同時に検者は反対側の手で下腿を把持し、膝関節の伸展方向に牽引する。

こうすることで、縫工筋の作用である、屈曲・外旋、膝関節の屈曲機能を同時に誘発できる。

縫工筋の機能

縫工筋の機能は、股関節と膝関節の両方の屈筋として働くというユニークな特性がある。

縫工筋の起始は上前腸骨棘であり、この起始を大腿筋膜張筋と共有している。股関節を屈曲できるだけではなく、外旋もできる。

その他の股関節屈筋には、腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋がある。

股関節の屈曲の拮抗筋には大殿筋、外側ハムストリング(特に大腿二頭筋長頭)、半膜様筋および半腱様筋があり、これらはすべて股関節で伸展するように作用する。

股関節の外旋筋には梨状筋、上・下双筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋がある。

縫工筋は脛骨骨幹の上部内側面に付着する。

他の2つの腱、つまり薄筋と半腱様筋の付着部し、結合した腱を形成する。

膝の部分では、屈曲、内旋するように作用する。

その他の膝屈筋にはハムストリングスがあり、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋で構成される。

膝窩筋は膝関節の屈曲にある程度の機能を持っているが、より重要なのは脛骨の内旋筋としての機能だ。

これらの筋の拮抗筋は大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋からなる大腿四頭筋群で、これらはすべて膝を伸展する。

前述の膝窩筋の他に、縫工筋と協調して働く膝の内旋筋には、半膜様筋、半腱様筋、薄筋がある。

縫工筋の栄養動脈(栄養血管)

縫工筋への血液供給の大部分は大腿動脈の筋枝からなる。

血液供給の半分以上は大腿動脈の筋枝から供給されるが、側副部は他の血管から供給される。

縫工筋への血流供給研究した研究では、浅腸骨回旋動脈、外側大腿回旋動脈、浅大腿動脈、下行膝動脈および上内側膝動脈から生じる側副血流が示された。

縫工筋の支配神経

縫工筋は神経根L2L3L4から供給される大腿神経によって支配されている。

大腿神経は股関節屈筋群と大腿四頭筋群を支配している。

縫工筋によるASIS剥離

スポーツ選手はASIS剥離を起こしやすい。

この損傷は基本的に大腿筋膜張筋と縫工筋の急激な強い収縮を介した発生する。

骨端の骨化は通常21~25歳まで起こらず、この骨化が起こる前には筋肉骨の境界面に弱点があり、骨端は剥離を受けやすい。

これは通常、短距離走やバットのスイングのように、腰を伸展した状態で起こる。

ASISの剥離は保存療法が多い。

縫工筋の慢性的なオーバーユースによる損傷

テニス肘と同様に、縫工筋の慢性的なオーバーユースは薄筋および半腱様筋とともに、これら3つの筋の結合腱の挿入部位に炎症を引き起こすことがある。

この炎症は腱周囲の局所組織を刺激することがあり、滑液包炎として知られる。

これは、10代の男性アスリートに最も多くみられる。

上前腸骨棘の剥離と同様に、これらの損傷の大部分は保存的治療で改善する。

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