Exercise

急性腰痛初期に対するの運動療法【HIP LIFT HALF ROLL】


今回はオリジナルエクササイズを紹介します。

既出の可能性もありますが、調べ尽くすことはほぼ不可能なので、オリジナルのエクササイズとしておきます。

名前はHIP LIFT HALF ROLL(ヒップリフトハーフロール)としました。

このエクササイズは急性腰痛の初期の運動療法として用いたり、慢性腰痛にも使うことができます。

HIP LIFT HALF ROLLのやり方

1leg hip lift(シングルレッグヒップリフト)という股関節伸筋のエクササイズがありますが、これの変化系のエクササイズです。

1leg hip liftでは、仰臥位膝屈曲位、股関節屈曲位から、お尻を上げながら股関節を伸展していきます。

そして最終的には臀部から腰部、大腿は地面から浮いた状態になります。

一方でHIP LIFT HALF ROLLの場合は、スタート肢位は同じ(使わない方の股関節は伸展位)ですが、両方の臀部は挙上せず、股関節の伸展に伴って体幹を回旋させます。

右の股関節を伸展させた場合、左の体側(下肢含む)は常に地面についたまま、体は左方向を向くように捻れます。

この時両肩の後面はベッドについたままになります。

HIP LIFT HALF ROLLのバイオメカニクス

このエクササイズでは両肩の後面がベッドについているため、股関節の伸展とともに脊柱は捻れます。

右の股関節を伸展すると体は左を向くため、脊柱は右回旋することになります。

ポイントは主に回旋する部位です。

通常立位で、体幹を回旋すると下部腰椎に回旋負荷が強くかかります。

このエクササイズで主に回旋するのは下部胸椎から上部腰椎にかけてなので、下部腰椎回旋による損傷の場合は下部腰椎に少ない負荷で行うことができます。

また、これは股関節の伸展による体幹の回旋運動なので、体幹部の自動運動は少なく、筋への負荷が低いです。

これらの理由から急性腰痛(特に筋筋膜性疼痛)の運動療法初期には使いやすいです。

それから、このエクササイズは股関節の伸展エクササイズであるため、股関節伸筋群の活性化のエクササイズとしても使うことができます。

やはりこれも腰痛の発生機序に関わりうる機能なので、必要になることが多くあるでしょう。

HIP LIFT HALF ROLLでは、体幹が捻れる限度が早期にくるため、過剰な捻れ負荷や腰椎過伸展が起こりにくいのもメリットの一つとなります。

HIP LIFT HALF ROLLのリグレッション

このエクササイズのリグレッションパターンの一つを紹介します。

単純なリグレッションとしては、股関節の伸展範囲を減らすことで達成できます。

運動療法なので、無理のない範囲(強い痛みがでない範囲)で行うのが一つの目安になります。

ただこれでは中々どこまで動かして良いか実感できない人もいます(kinesiophobiaの人は特に)。

その場合は大臀筋の伸展作用は落ちて、ハムドミナント(優位)にはなりますが、膝を少し伸展してあげることで、体幹の回旋度合いを減らすことができます。

その場合は日を追うごとに膝の屈曲度合いを徐々に増やしていくことで、段階的なプログレッションができます。

HIP LIFT HALF ROLLのプログレッション

HIP LIFT HALF ROLLの応用でこれもオリジナルエクササイズの一つであるHIP LIFT UPPER ROLLがプログレッションの1パターンです。

これは次回書く記事を参照した下さい。

ここではちがうパターンのプログレッションも紹介します。

HIP LIFT HALF ROLLでは股関節を伸展しない側の股関節は常に伸展してますが、プログレッションパターンとして、股関節膝関節屈曲位を用いることができます。

このパターンでは骨盤が後傾するため、より股関節の伸展mobilityが要求されるようになります。

ただし、腰椎下部の回旋は減るため、リグレッションともいえます。

別のプログレッションパターンとしては、右股関節伸展のHIP LIFT HALF ROLLで、頭部を右回旋すると、脊柱(特に胸椎)の捻れ負荷が多少高まります。

慢性腰痛への適応

このエクササイズは(特に朝)筋肉が固まるような慢性腰痛に適応しやすいです。

朝の筋のこわばり感は運動によって改善されやすいですが、寝起きだと中々動けないことがあります。

このエクササイズでは寝たまま、腰の負荷が少なくできるため、使いやすいです。

また、股関節の伸展の習慣がない人や下部胸椎の回旋習慣がない人のためのエクササイズとしても活用できます。

一番使いやすいポイントは腰椎下部の回旋が少ないところで、慢性腰痛を持つ人はストレッチとした腰椎を捻るようなエクササイズをすることがありますが、椎間板ストレスが強いため、このような制限のある回旋エクササイズはリスクが少なく行えます。

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