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ヒッチェンスの剃刀(Hitchen’s razor)で臨床を考え直す必要がある【臨床思考】


オッカムの剃刀(Occam’s razor)は有名かもしれませんが、似たものにヒッチェンスの剃刀があり、臨床を考える上で重要なことのひとつです。

ヒッチェンスの剃刀を説明する前に、オッカムの剃刀も説明しておきます。

オッカムの剃刀とは?

Wikipediaによればオッカムの剃刀は「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」と説明されます。

ただこれでは分かりにくいので、もう少しざっくばらんに説明するのなら

「余計な情報はいらない」ということです。

体幹トレーニングを例にします。

体幹トレーニングの効果性を説明する際に、

「体幹トレーニングによって腰椎が安定することで腰痛が減少する」と言われることがあります。

これは仮定なのですが、オッカムの剃刀的に考えれば、余計な情報があります。

余計な情報に()を付けてみます。

「(体幹)トレーニングによって(腰椎が安定することで)腰痛が減少する」

()の中身を消すことで、「トレーニングによって腰痛が減少する」と一つの仮定になります。

しかし「①体幹②トレーニングによって③腰痛が安定することで腰痛が減少する」のままだと仮定が3つもあります。

これでは因果関係を証明するのが困難になります。

論理的に考える時に余計な情報を増やさないようにと注意喚起しているのがオッカムの剃刀です。

では次にヒッチェンスの剃刀をみていきます。

ヒッチェンスの剃刀とは?

ヒッチェンスはこう言いました。

What can be asserted without evidence can also be dismissed without evidence.(証拠なしで主張できるものは、証拠なしで却下することもできる)

これがヒッチェンスの剃刀です。

体幹トレーニングを例にするのであれば、しばしば体幹トレーニングを提唱する人は、どのようにすればcore muscleがより活発に動くか、どうすればcore muscleが強くなるかを主張しますが、それ以前にcore muscleが腰痛を改善すること自体証拠不十分です。

つまり体幹トレーニングは前提が証拠不十分なので、主張を却下できます。

そして最も重要なことは疼痛治療の多くは、不確実性の中で行われているため、我々は常に我々の治療に批判的である必要があります。