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ストレッチ用語に注意が必要【柔軟性と可動域と伸張性の違い】


ストレッチする際に、柔軟性とか可動域とか、少しマイナーなところでは伸張性と言う。

これらはごちゃごちゃに考えるべきではない。

最も包括的な意味をもつのは可動域。

可動域(ROM)と柔軟性(flexibility)の違い

可動域はrange of motionまたはrange of movementなので、そのまま動作の可動範囲をいう。

SLR(straight leg raising)をする際も可動域がどうこうと表現するし、肘の伸展度合いにも可動域と使う。

柔軟性はより軟部組織に依存した可動域をいう。

だからSLRは柔軟性ともいえ、可動域ともいえる。

しかし肘の伸展可動域は骨性制限なので柔軟性ではないだろう。

膝の伸展可動域は骨性ではなく、関節包による軟部組織性のものをいう。

そのため膝の伸展可動域は柔軟性ともいえる。

しばしば柔軟性は筋に対して使われるが筋だけに対し、柔軟性というのは不適切だろう。

なぜなら可動域は筋以外の軟部組織にも依存しているからだ。

伸張性(extensibility)とは?

伸張性の意味は少し難しい。伸張性は軟部組織が伸びる様子を表す。

例えばSLRで組織が伸びていく様子は伸張性といえる。

しばしば軟部組織による可動域制限を伸張機能障害(extensibility dysfunction)という。

例えばFMS(functional movement screen/system)では軟部組織性の制限をextensibility dysfunctionという。

ではストレッチをすると伸張性が高まるかといえばそんなことはない。

現在ではストレッチで伸張性が高まるという証拠はない(ストレッチトレランスモデル)。

ストレッチトレランスモデルに基づくのならextensibilitydysfunctionを引き起こすのはギプス固定や瘢痕化などの非日常的な要因によるものだけだ。

かたさの種類

おまけ的な話だが、

似たような話で「かたさ」表現も注意すべきだろう。

前述の伸張機能障害(extensibility dysfunction)は一種のかたさ表現であるし、剛性(stiffness)は伸張力に対する組織の変形抵抗性に対して使われる。

硬い(hardness)は物理的な押した時の硬さに使われる。

他動的な硬さをpassive tensionというし、自動的な硬さをactive tensionともいう。

ただ動きの制限はtensionのみに依存しないのだから動きや可動性に対しtensionという言葉で硬さを表現すべきではないだろう。

硬さの中でもタイトネス(tightness)は極力避けたい。tightnessは単に硬いことを表していて具体的にどんな硬さかを表現しない。

実際tightnessで論文検索をすると殆ど出てこない。

注意したいのはstiffnessで、これは論文でも使い分けがうまくされていないため、その論文によって意味合いが変わることがある。

muscle toneも一種の硬さ表現として存在する。しかし徒手的に筋単独の硬さの評価はできないのだからmuscleと付けるべきではないだろう。

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