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美容鍼の効果と副作用(リスク)を科学的根拠(エビデンス)に基づいて解説します【論文】


美容鍼(FCA:facial cosmetic acupuncture)は顔のリフトアップやアンチエイジングなどの目的でしばしば用いられています。

現在Googleでの「美容鍼効果」や「美容鍼副作用」、「美容鍼リスク」の検索結果では美容鍼の効果やリスクを科学的根拠に基づいて説明しているウェブサイトは見つかりません

さらに上位に出てくる美容鍼の解説サイトのWikipedia以外が、経済的利害関係(自社の利益のために都合よく書いている可能性がある)にあるため注意が必要です。

ここでは科学的根拠を元に美容鍼の効果性とリスク(副作用)についてまとめます。

この記事のまとめ

一般向けにも専門家向けにもこの記事を書いているため、一般の方も分かりやすいように結論を先にまとめておきます。

その根拠は下をご覧下さい。

美容鍼の効果と副作用まとめ
  • 鍼による皮膚の弾力性up効果は自覚できるほどはない
  • 皮膚の形状変化は約半数の人にみられる(翌日まで継続するかは不明)
  • その他効果については根拠がない
  • 内出血の確率は約14%(20/140)
  • 副作用として硬化性脂肪肉芽腫を引き起こす可能性がある

美容鍼の効果

美容鍼の効果性を研究した論文は多くはありません。

ここでは典型的な美容鍼(東洋医学ではなく、鍼を顔に刺して行う美容鍼のこと)の効果について解説します。

27人に対し3週間で5回美容鍼を行った場合、効果を実感しませんでした。(1)

顔の形状の変化については、美容鍼後に変化が出たのは27人(40-59歳)中15と約半数でした。(1)

但し、持続時間については研究されていません

→この効果が次の日まで持つか分かりません。

またこの研究では収集した情報の一部しか報告されておらず、この変化が累積効果によるものか判断できません。

もし累積効果ではない場合、鍼の効果ではなく、肌に触れたことで一時的に変化したか、鍼による浮腫により腫れたのか、あるいは表情の変化である可能性があります

美容鍼による皮膚の含水量と脂質含有量を調べた研究では有意差は報告されていません(2)。

また含水量に関しては、湿度により容易に変化する(3)ことを考慮すると適切に研究するためには外的要因を排除する必要があります。

※参考文献(1)より引用

美容鍼の効果性をまとめると

  • 鍼による皮膚の弾力性は自覚できない
  • 皮膚の形状変化は約半数に短期的に起こる
  • その他効果については報告されていない

美容鍼の副作用(リスク)

一般的な鍼の副作用は内出血です。

内出血の起こる割合は140回中20回で約14.28%(2)です。

通常この副作用(リスク)は数日で消失と考えられます。

重い副作用としては硬化性脂肪肉芽腫(Sclerosing Lipogranuloma)の可能性があります(4)。

※参考文献(4)より引用

硬化性脂肪肉芽腫は鍼によりシリコンが皮下に埋没され炎症を起こすことをいいます。

このBasheyら(4)の報告によれば、発症は鍼の5年後であり、直後に副作用が現れないことから施術者自身も気付かない可能性があります。

美容鍼の副作用をまとめると

内出血の確率は約14%(20/140)

副作用としてごく稀に硬化性脂肪肉芽腫を引き起こす可能性がある

となります。

参考文献

(1)Yun Y,Kim S,Kim M,Kim K,Park JS,Choi I. Effect of facial cosmetic acupuncture on facial elasticity: an open-label,single-arm pilot study. Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:424313. doi:10.1155/2013/424313

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3745857/#B4

(2)Donoyama,Nozomi & Kojima,Ayumi & Suoh,Sachie & Ohkoshi,Norio. (2012). Cosmetic acupuncture to enhance facial skin appearance: A preliminary study. Acupuncture in medicine : journal of the British Medical Acupuncture Society. 30. 152-3. 10.1136/acupmed-2012-010156.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pubmed/22534726-cosmetic-acupuncture-to-enhance-facial-skin-appearance-a-preliminary-study/

(3)開原典子, 高田暁, 室内滞在時の皮膚含水率と温湿度の関係についての実態調査, 日本建築学会環境系論文集, 2017, 82 巻, 734 号, p. 337-345, 公開日2017/04/30, Online ISSN 1881-817X, Print ISSN 1348-0685, https://doi.org/10.3130/aije.82.337,https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/82/734/82_337/_article/-char/ja

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/82/734/82_337/_article/-char/ja/

(4)Bashey S,Lee DS,Kim G. Extensive facial sclerosing lipogranulomatosis as a complication of cosmetic acupuncture. Dermatol Surg. 2015;41(4):513–516. doi:10.1097/DSS.0000000000000318

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pubmed/25768878-extensive-facial-sclerosing-lipogranulomatosis-as-a-complication-of-cosmetic-acupuncture/

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