ブログ

液体も筋膜に分類される【液体筋膜(Liquid fascia)と固体筋膜(Solid fascia)】


筋膜(fascia)が良い意味でも悪い意味でも広まってから結構な歳月が経った。

これだけ広まると筋膜は悪用されるし、勿論誤って認識される。

たまに医療従事者が筋膜を「筋肉を包む膜」と説明しているのをみるとなんとも残念に感じる。

ここでは日本では全く知名度がない液体筋膜(Liquid fascia)、固体筋膜(Solid fascia)について解説する。

固体筋膜(Solid fascia)

コラーゲンは、人体のタンパク質の30%以上を占める。その最も一般的な形はコラーゲンである。

原線維は高度に組織化されていて、細胞外マトリックス(ECM)や腱、骨、その他の負荷構造の骨組みをつくる。

コラーゲンの生合成は、組織の種類に応じて異なるタイプの細胞によって行われる。例えば、骨芽細胞は骨でコラーゲンを形成し、線維芽細胞は腱でコラーゲンを形成する。

結合組織にはさまざまなタイプがあり、いくつかの形態学的、機能的基準に従って分類される。

密性結合組織はコラーゲンが規則的および不規則な構造で配列しており、疎性結合組織では無定形の物質が豊富に存在することが明らかになった。

密性結合組織では主にI型、III型、XII型、XIV型のコラーゲンとエラスチン、疎性結合組織ではI型、III型、IV型、V型、VII型、XII型、XIV型のコラーゲンがみられる。

線維芽細胞は結合組織の主要な細胞成分である。

線維芽細胞は互いに連絡を取り合い、知覚され、生じた緊張を管理するための基本である

張力を伝達する役割を果たし、動的に機械的張力に影響を与え、細胞骨格を急速に再構築する。

もし機械的情報が短時間しか存在しないなら、どんな形態学的変化も可逆的であり、線維芽細胞の細胞骨格は元の状態に戻ることができる。

線維芽細胞は炎症過程を刺激する上で重要で活発な役割を果たしている。

線維芽細胞は、日常的な外傷によって影響を受けている筋膜連続体の要素を洗浄、修復、置換する役割を担っている。

線維芽細胞は主に微小液胞を構成する。

微小液胞は脂質、特にプロテオグリカン(約72%)の親水性のおかげで水に富む。

水分補給は圧力と体積の維持に役立つ。

結合組織は間葉に由来する。

胎生期の結合組織はおそらく、その中に含まれて結合する構造の形に影響を与える。

胎生期の間葉は、多くの結合構造だけでなく間質幹細胞の供給源でもある。

発生の過程で、それらは胚葉の間の空間を占め、さまざまな構造をつなぎ、器官の間質を構成する。

筋膜組織は層状になっているといわれている。

これはよくみられる習慣であるが、これらの層は分離不可能であり、機械的/代謝的情報の存在に同調して移動し、反応する。

液体筋膜(Liquid fascia)

血液とリンパ液は中胚葉に由来し、結合組織と考えられている。

これらは液体状の筋膜である。

血液は栄養機能に加えて、ホルモンや化学的な伝達物質と相互に連絡することができる異なる器官を連結する方法を提供し、生物を機能的に統合する。

ヒトの血液は、ルビーレッドまたは紫がかった赤になりうる液体である。

粘度は水の粘度の約四倍ある。

ヒトの体重の約7.7%を占め、温度は約37/38°CpHは動脈で7.38~7.42(生理食塩水のpH7.383)である。

男性では、血漿と呼ばれる液体状の部分(liquid part)55%と、細胞や細胞の断片からなる小体部分(corpuscular part)45%から構成されている。

女性では、液体部分が60%、小体部分が40%を占める。

血液の特徴は、細胞外マトリックスが液体であることであり、これは血液が液体結合組織であることを意味する。

リンパ系は「initial lymphatics」と呼ばれる間質に由来する。

毛細血管はコラーゲン線維(VII型コラーゲン)を介して細胞の外表面に付着する。このコラーゲンは、リンパ管の内腔に向かう機械的な力の伝達を可能にする。

いくつかの血管では、アクチンに似たフィラメントの存在によって自律的な収縮が起こる。

これらのinitial lymphaticsは広がり、コラーゲン、平滑筋細胞および弾性線維からなる集合管を形成する。

リンパ管には独自の緊張があり、おそらく独自の収縮自律性をもっている。

最近のデータによれば、流動の変化に対する感受性も示している(感覚機能)。

これらは自律神経系(主に交感神経線維)によって囲まれており、リンパ輸送の調整に役立つ。

リンパ管は適応して弾性能を変化させリンパ輸送の機能を改善または悪化させる。

 

液体筋膜のバイオテンセグリティはこちら

 

参考文献

RELATED POST