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運動療法はバイオメカニクスに基づくより認知に対して行った方が良いこともある


急性腰痛にしても慢性疼痛にしても運動療法はバイオメカニクスや解剖学に基づいて行われていることが多いです。

しかしバイオメカニクスや解剖学に基づくよりも認知に対してアプローチする方が効果が出やすいかもしれないという話をしていきます。

認知に対する運動療法

この研究をご覧下さい。

これは慢性腰痛の話ですが、運動療法は腰痛に効果があるものの、それは骨格筋痛系の変化には関係なく、起こります。

具体的には可動域や筋力、持久力の変化に関係なく起こります。

運動療法は運動自体に意味があるということです。

その運動が何に影響を与えているかといえば、そのひとつが痛みへの認知です。

痛みは通常、体に変化を起こして欲しい時に発生します。

火に手を近づければ、火から手を離すように痛みを起こします。

腰が痛ければ、過剰な負荷を出さないようにと脳が命令しているのかも知れません。

しかし腰痛ではしばしばこの発痛は過剰に出ます。

それは過去の経験や患者の信念など、多くの因子によって決定されます。

つまり痛みに対して過剰な認知が起こっているのです。

運動療法はこの過剰な認知を抑制できるかもしれません。

実際動いてみることで、損傷がそこまで強くないと脳に認知させるのです。

最も重要なことは運動療法中に痛みや恐怖を与えないことです。

痛みや恐怖は痛みを増加させます。

そして動いても痛くない、動いたことで痛みが減ったと認知させる必要もあります。

そのため、腰痛に対する運動療法では患者がどう痛みを認識しているかに常に気を配ります。

参考文献

Steiger F,Wirth B,de Bruin ED,Mannion AF. Is a positive clinical outcome after exercise therapy for chronic non-specific low back pain contingent upon a corresponding improvement in the targeted aspect(s)of performance? A systematic review. Eur Spine J. 2012;21(4):575–598. doi:10.1007/s00586-011-2045-6