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痛み(慢性疼痛)のBPSmodel(生物社会心理モデル)をシンプルに解説します。


従来、多くの慢性疼痛に携わる臨床家は生物医学モデル(biomedical model)と呼ばれる痛みの理解をしてきました。

痛みは神経系、内分泌、筋骨格などの生物学的異常で起こるというようなものです。

このモデルはシンプルで理解しやすく、1960年あたりから長い間、世界を支配していました。

しかしながらここ数十年の科学はそれを否定しています。

IASP(国際疼痛学会)もいうように、痛みは主観的なもので客観的なものではありません。

例え、骨折していても痛みを感じない人もいます。一方で病理学的な所見が何もないのに痛みを訴える人もいます。

これは生物医学モデルでは説明できません。

これらのような痛みを理解しようと生物医学モデルに替わるものがBPS model(bio-psycho-social  model)です。

BPS model(biopsychosocial  model)とは

BPS model3つの要素で組み合わさっています。

一つ目はbiomedical modelと同じようなbiological factors(生物学的要因)。

二つ目はpsychological factors(心理学的要因)

そして3つ目はsocial factors(社会的要因)です。

biological factors(生物学的要因)とは

biological factorsは先程説明したような、生物に基づくものです。

特に慢性疼痛におけるbiological factorsでは

その人の組織損傷(tissue damage)や動作(movement)、体重などの負荷(load)、病理学(pathology)、力学的要素が絡んできます。

ただしこのbiological factorsで従来考えられていた、姿勢の問題や筋力、筋持久力、画像所見などの要因は、実際は慢性疼痛に関わってないことが多く、この古典的な考えからは脱却する必要があります。

特に構造に着目した考えをstructure  model(構造モデル)といいます。

psychological factors(心理的要因)とは

従来心因性疼痛と呼ばれていたものがありますが、たしかに心理学的問題は慢性疼痛によく関与します。

例えば仕事がストレスである人は頚部痛を感じやすくなります。

心理学的要因は疼痛を増強させることがあり、さらにそれ自体が疼痛になることもあります。

代表的な心理学的要因には、信念(belief)、知覚(perception)、情動(emotions)、期待(expectations)、行動(behaviors)があります。

信念の例としては、治らないと感じている患者はより強い疼痛を感じるというのがあります。

期待の例では、期待値の大きさが改善率に影響する、があります。

social factors(社会的要因)とは

social factorsは疼痛治療においてフォーカスされる機会が少ないにも関わらず、疼痛にはよく関与します。

social factorsの代表的なものには、仕事(works)、家族(family)、leisure(レジャー)、economics(経済)、education(教育)があります。

例えば低収入は痛みを感じやすく、低学歴は腰痛の発症率が高いです。

趣味があると肩こりを感じにくく、仕事がストレスでは肩こりを感じやすくなります、

BPS modelの包括的アプローチ

我々はstructure  modelに固執することなく、これら疼痛要因にフォーカスする必要があります。

残念なことにいまだ9割異常の臨床家がstructure  modelに基づいた施術をしています。

たしかに従来の理学療法やカイロ、オステなどの手技はすべてstructure  modelによるものですが、いまそれを捨てる勇気が必要です。

BPS modelが3元論であることから5Esというのも提案されています。

BPSモデルが必要な理由現在痛みはBPS modelを主体に考えられることが増えてきました。 IASP(国際疼痛学会)もそれに合わせて痛みの定義を変えようとし...
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