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【論文】アプライドキネシオロジーとは【怪しい?】


カイロプラクティックは数多くの学派に分かれます。

大きく分けるのであれば、サブラクセーションなどの構造を中心に考えるのがストレートカイロプラクティック、様々な治療をごちゃまぜにしたのが、ミキサーカイロプラクティックと呼ばれます。

アプライドキネシオロジー(applied kinesiology)はミキサーに分類され、日本でもしばしば用いられています。 

今回はアプライドキネシオロジーを批判的にみていきます。

 

アプライドキネシオロジーとは(applied kinesiology

アプライドキネシオロジーは1960年代につくられた治療法です。

Applied kinesiologyは日本では応用運動学(あるいはAK)と呼ばれます。 

応用運動学というとまるで運動学に基づいた治療のようにとらえそうになりますが、実際はあまり運動学に基づいていません。

アプライドキネシオロジーを代表する検査法にはセラピーローカリゼーションとチャレンジがあります。

どちらもMMTを利用した検査です。

アプライドキネシオロジーの主張では、アプライドキネシオロジーのMMTは単なる筋力検査ではなく、神経の(特に反射)検査としています。

そのためアプライドキネシオロジー独特のMMTは非常に弱い力で行なわれます。

MMTのルールも細かく決められており、一部を抜粋すると、「目をまっすぐ前に向ける」「体のどこにも手を触れない」など通常整形外科で行なわれるようなMMTとは違うルールがあります。 

アプライドキネシオロジーの基本的な治療対象は「構造・科学・精神」です。

そして手段として「椎間孔5つの因子(Five Factors of the IVF)」というのが主に用いられます。 

椎間孔5つの因子のいずれかが障害されることで神経反射に機能障害が誘発されると考えられています。

その椎間孔5つの因子とは

N:神経」「NL;神経リンパ反射」「NV:神経血管反射」「CSF:脳脊髄液」「ACM:経絡」です。 

大まかな治療の流れは、セラピーローカリゼーション(TL)とチャレンジを用いてMMTを行い、弱化した筋を修正するために椎間孔5つの因子にアプローチするといったものです。(椎間孔5つの因子以外も使われます)

アプライドキネシオロジーの問題 

アプライドキネシオロジーの理論や検査法、治療法、治療結果のほとんどすべてにまともなエビデンスがないのが一番の問題です。

1960年代に作られたのにも関わらず。

 

ストレッチも大体同じくらいの時期に作られましたが、エビデンス自体はどんどん増えています。

アプライドキネシオロジーが研究されていない理由は単純です。

その理論自体があまりにも非論理的であり、まるでweb広告によくある怪しい広告のようなものなので、まじめに研究しようとする科学者がいない、そして資金提供も受けないからです。

 

アプライドキネシオロジーのMMT及びそれに伴ったセラピーローカリゼーションやチャレンジの信頼性を検証した研究では、信頼度が低いとされています。

それだけでなく、

アプライドキネシオロジーのブラインド化されたMMTはその種類を問わず陽性率が均等です。

Haas M,Cooperstein R,Peterson D. Disentangling manual muscle testing and Applied Kinesiology: critique and reinterpretation of a literature review. Chiropr Osteopat. 2007;15:11. Published 2007 Aug 23. doi:10.1186/1746-1340-15-11

これは重大なポイントです。

種類問わず陽性率が均等であるということは、その検査が何も意味していない可能性すらあります。

さらに陽性率はあまり高くないため、施術後の検査では陰性となる可能性が十分あります。

これがアプライドキネシオロジストがアプライドキネシオロジーの効果を誤認してしまう理由だと考えられます。

実際アプライドキネシオロジーの手段を用いると容易に変化が起こります。

それは全て上記の理由で、説明できてしまいます。

しばしばアプライドキネシオロジーを含めたいくつかの徒手療法は、再現不可能性を理由に論文で否定された結果を否定します。

しかし上記のメカニズムが働いている時点でアプライドキネシオロジスト自身がバイアスにかかっている可能性の方が十分あります。

またヒッチェンスの剃刀でその主張を却下できます。つまり根拠ない主張は根拠なしで否定できます。

上記理由から、アプライドキネシオロジスト自身は常に効果性の錯覚にさらされ続けるため、その効果性を論理的に経験することは恐らくできません。

そのため、アプライドキネシオロジストの経験論はあてにならないことに注意が必要です。